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石川佳純と平野美宇の壮絶すぎる争い 卓球史に残る五輪代表選考、語り継がれるべきその“意味”とは

2019/12/14

 長い卓球の歴史の中で、これほど過酷な代表レースはなかっただろう。12日のグランドファイナル(中国・鄭州)で、石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)がともに1回戦で敗れたことで決着した、2020東京五輪女子シングルスの代表選考レースだ。

オーストリア・オープンでダブルスを組んだ石川佳純(左)と平野美宇 ©AFLO

東京五輪代表枠をめぐる凄まじいデッドヒート

 東京五輪のシングルスの代表枠は各国2人だ。少ないように思えるが、3人以上にすると中国がメダルを独占してしまい、大会への興味を失わせるという理由でロンドン五輪から2人となった(実際、北京五輪では男女とも中国がメダルを独占した)。代表選手を決める方法は各国に委ねられているが、日本卓球協会は、選考の透明性と国際競争力を重視して「2020年1月発表の世界ランキングの上位2名」と決定した。これが競争を過酷なものにした。世界ランキングは選手の実力を数値化した「ポイント」で決まる。現在のポイントの計算方法は、大会に出れば出るほど上がりやすく、なおかつ各大会で得たポイントは1年間有効であるため、ライバルに後れをとらないためには、2020年1月までのきっちり1年間、ひとつでも多くの大会に出続けなくてはならない。実際にはそこに行くまでにシード権を確保しておく必要があるから、競争はそれ以前からだが、この1年の激しさは特別だった。

 伊藤美誠(スターツ)は途中から他の選手を引き離したため、多少の余裕は出ただろうが、石川と平野は最後の最後まで凄まじいデッドヒートを繰り広げた。