慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決を確認」した2015年の日韓合意に基づき、日本政府が拠出した資金やアジア女性基金からの現金が元慰安婦らに支給されていること。さらに、韓国政府からも現金が渡されたことを指摘し、日本政府が過去に謝罪した事実も明かしている。その上で、正義連などに日本糾弾集会を止めることや、慰安婦像の撤去することを求め続けている。
ちなみに、日本大使館前に設置されている慰安婦像については、日韓合意で韓国政府が次のように約束した。
「日本政府が公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」
合意から4年。慰安婦像は撤去されず、今も慰安婦問題の象徴として集会の真ん中に鎮座し、崇められている。韓国政府は外国公館前での集会も放任。韓国の小学6年の国定教科書では、日本大使館前での集会の様子がカラー写真で紹介されており、まるで集会への参加を子供たちに奨励しているようだ。現に集会には、「課外学習」と称して、教師に引率された小中学生が参加している。
「来週の水曜日もやります」
李氏らは慰安婦問題について正義連に公開討論を求め続けているが、正義連は「愛国世論」をバックに、これまで一切討論に応じていない。
正義連などが小学生までもが動員された集会を開く一方、李氏らは当局のお咎めこそないものの、反日世論から激しい攻撃を受けている。韓国人が韓国国内で、日本との歴史について「異議」を唱えれば、「親日派」のレッテルを貼られ、総攻撃を受ける。李氏らのケースはその象徴的なものだ。
「ゆがんだ歴史観を批判し、歴史の事実を示したい」と筆者に話した李氏。その信念はあれほどの圧力にも揺らいでいないようだ。集会後には次のように語った。
「来週の水曜日(12月18日)もやります」
いかなる妨害があろうが、李氏らも集会を続ける構えだという。