米大使「斬首」コンテストまで
日本大使館前での日本糾弾集会が野放しの中、今度はソウルの米国大使館の目の前で、物騒な反米集会が開かれた。その名も「ハリス(駐韓米国大使)斬首競演大会(コンテスト)」。
主催は「国民主権連帯」と「青年党」で、いずれの団体も10月中旬に米大使公邸に侵入した学生らが所属する「韓国大学生進歩連合(大進連)」とも関係のある親北朝鮮の団体だ。
集会は12月13日、米国大使館と道を挟んで南側の路上で開かれた。ハリス氏が「文在寅大統領は従北左派(親北派)に囲まれているのか」と発言したとされる件について、大使を“ハリス”と呼び捨てにしながら、「文大統領を従北左派と呼んだ」「在韓米軍への支援金の5倍引き上げは米国の強要だ」「内政干渉総督だ!」などと非難した。
この日の集会では、「ハリス“帰れ麺”の作り方」と料理番組を称したパフォーマンスや、ハリス大使の写真に鼻毛を貼り付けて抜き取ったり、直前までハリス大使の写真を貼り付けていたサッカーボールをゴールに蹴り込んだりする非礼なコンテストが次々に行われた。米国大使が勤務する大使館の目の前で、参加者の若者たちは笑い声をあげながらハリス大使を批判していた。
一見すると、日本大使館前で毎週行われる日本糾弾集会と同じようにみえる。ただ、大きく違うのは韓国当局の対応だ。
この米国大使館前での集会は、国民主権連帯がフェイスブックで事前予告したところ、韓国外務省報道官が集会前日の12日、「駐韓外交使節に対する脅迫が公開的に行われていることについて憂慮を表明し、自制を求める」と、しっかり懸念を示していた。さらに、報道官は「韓国政府はすべての駐韓外交使節に敬意を持って待遇している。駐韓外交使節の身辺の安全と外交公館の保護強化のために万全を期しており、そのために関連機関と緊密に協力している」とまで発言した。
日本大使館前での非礼な集会が常態化して久しい。ここまで放置し続けた、韓国当局の責任は重い。