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「恥ずかしくないのか」「何という侮辱だ!」

 韓国人なら誰でも不愉快に感じるであろう「親日派!」「売国奴!」といった罵声だけでなく、現地で筆者が耳にしたのは、さらに激しい罵詈雑言だった。

「おまえ、日本からいくらカネをもらったんだ。恥ずかしくないのか」
「このガキ。ハルモニがまだ生きているというのに、何という侮辱だ!」

 このほかにも書ききれないほどの悪罵が、李氏に浴びせかけられた。この日、李氏は同志ら8人で抗議集会を開いていた。毎回、数百人を集める日本糾弾集会に比べ、規模では全くかなわない。しかも、李氏らの何倍もの市民が“逆抗議”のために集まって、李氏らを取り囲んでいる。

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 李氏らは駆けつけた警察官に囲まれ、身体的危害を受けることはなかった。だが、李氏らの抗議集会は冒頭から、自らが糾弾される集会に一変していた。「吊し上げ集会」といった表現がピッタリだ。李氏らに圧力が加えられている光景は実に生々しく、異様な迫力があった。

テレビでも報じられたイ・ウヨン氏(右端)の集会(KBSテレビホームページより)

 物々しく、緊張感に包まれた現場では、複数の現地ネットメディアがビデオカメラを回し、あたまから李氏らを非難するネット中継を執拗に続けていた。見る者の怒りや憎悪を焚きつけるような客観性のない「報道」とはかけ離れた中継だった。

 李氏らを追い詰めるメンバーの熱気はエスカレート。一触即発の危険な状態となったため、警察の勧めもあって、李氏らの集会は約20分で打ち切られた。現場を去る李氏の背中には「おまえ、逃げるのか!」との罵声が浴びせられていた。

小中学生も先生に引率されて慰安婦集会に

 李氏らが正義連に主張しているのは、次のような内容だ。