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日赤「宇崎ちゃん」献血PRポスターは“過度に性的”か 騒動に火をつけた米国人男性に聞いてみた――2019 BEST5

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英語でも多くの批判があった

――オンライン上で最初に投稿した際に、英語でも多くの批判があったと聞きました。どのような批判がありましたか。  

アレン「アメリカ人が、西洋の視点を持ち込んで批判している」という声が多かったです。  

 でも、実際は、あの画像を見た直後に、複数の日本人の友人たちに送って意見を聞いてみているんです。とある友人は私より怒り、別の友人は岐阜県美濃加茂市の観光協会による『のうりん』とのコラボポスターを挙げ、「以前も似たようなことがあったのに、なぜ改善がないのか」と失望していました。  

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――しかし、表現に関する問題が欧米のメディアに指摘されて初めて撤回される、というパターンが多く見受けられるのも事実です。  

アレン 日本の記者と話すと、日本のメディアは自己規制しがちだと言っていました。海外メディアで問題が沸騰してから、日本のメディアがようやく取り上げる口実ができる、「外圧」が必要だ、と。  

 でも、多様なルーツの人が増えてきている今、マイノリティが日本社会に居場所があると感じられるよう、日本社会の側も、マイノリティの声を拾う努力をすべきなのではないでしょうか。  

――今回の件に限らず、普段から日本の社会問題について英語で発信されています。その意図は。  

アレン 欧米には、日本を「均質で家父長的な社会」として理想化する熱心なアニメファンが一定数います。それは間違っている認識であることは、歴史をさかのぼっても、今のSNSを見ても明らかです。  

 海外では、日本社会は画一的な社会だとステレオタイプに見られがちですが、欧米と同じように、個人が様々な意見を持ち、活発な議論がおこなわれている社会です。それを英語圏の人々にも伝えたいと思っています。  

――最後に、アレンさんが日本に関心を持ったきっかけを教えてください。  

アレン 実は、中学生のときに日本のアニメにハマったのがきっかけです。  

 80年代後半から90年代当時の米国では、日本のアニメはまだ人気が出ていなかったので、アニメ好き同士でVHSテープを交換したりして……『ガッチャマン』や『マクロス』を見て育ちました。高橋留美子さんも大好きです。  

 日本語を本格的に勉強しだしてからは、日本文化により広く興味を持つようになりましたが、今でもアニメは好きでたまに見ますよ。 

2019年 ネット事件部門 BEST5

1位:氾濫前の多摩川で泳ぐ海パン男、豪雨の渋谷でポーズを決めるコスプレ男…「台風バカッター」を直撃
https://bunshun.jp/articles/-/20024

2位:日赤「宇崎ちゃん」献血PRポスターは“過度に性的”か 騒動に火をつけた米国人男性に聞いてみた
https://bunshun.jp/articles/-/20022

3位:《ライブ配信中に富士山滑落死》アパート大家が語る「47歳無職独身、木造フロなし弁護士浪人生活」
https://bunshun.jp/articles/-/20021

4位:「サラリーマン」を馬鹿にして駄目な知識を吹き込む、オンラインサロンとかいう魔境
https://bunshun.jp/articles/-/20020

5位:「10歳の不登校YouTuber」を踏み台にしてポジショントークする大人たちについて
https://bunshun.jp/articles/-/20017

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