1ページ目から読む
2/2ページ目
これからの指導者は大変だが…
今回の受講についてイチロー本人からの相談があったか聞くと、「そんなのはありません」と笑うが、イチローに理想の指導者を重ねている。
「イチローが高校にいた頃は今から思ってみると、生徒に大変なことを要求して練習していたと思いますね。日が落ちて真っ暗でボールが見えないのに『心で捕れ!』なんて言っていた(笑)。“精神野球”そのものでした。高校野球は底辺が広いから、なかなか指導者は難しいです。十人十色で子どもたちのレベルが違い、底辺をどうやって上げていくかが大変でしたが、なにがなんでも『甲子園に行く』という意識で乗り越えた。
それが今では高校野球も変わってきています。夏の大会が暑いから屋根のある球場でやるだとか、投球制限を導入するとか、そもそも日程を変えるとか。いろいろな声が上がっていて、これからの指導者は大変だと思いますが、イチローはいい指導者になるんじゃないですかね。あれだけの経験をした子ですから。今後、子どもたちに教える機会が与えられるわけですから、どういう指導者になるのか楽しみですね」