12月11日、「マクアケ」というITベンチャー企業が東証マザーズに上場した。
上場により、“億万長者”になったのが歌舞伎役者の市川海老蔵とプロサッカーの本田圭佑である。
映画『この世界の片隅に』制作にも貢献、業績は右肩上がり
マクアケはサイバーエージェントを母体にして、同社出身の中山亮太郎氏(37歳)が13年5月に創業。インターネットを通じ、例えばレストランの開業やアイデアの商品化など様々なプロジェクトに対し、広く一般から投資を募るクラウドファンディング「Makuake」を運営している。
「クラウドファンディングには、プロジェクトに投資して成功すれば金銭のリターンが得られる投資型、支援者に商品やサービスを提供する購入型、慈善事業などに寄付して税控除が受けられる寄付型などがあります。新規事業に対する新たな資金調達方法として期待され、クラウドファンディングサービスを提供するベンチャー企業が次々と立ち上がりました。しかし玉石混交で、失敗も多い。その中で、マクアケは、購入型の最大手に成長しました」(経済誌記者)
これまでに成功した大型プロジェクトとしては、観客動員200万人を超えたアニメ映画『この世界の片隅に』。マクアケのクラウドファンディングを利用して、3374人から目標金額を大幅に上回る約4400万円を集め、映画を制作し、異例の大ヒットになった。
支援者(投資家)は、エンドロールに名前が掲載されるなどの特典がある。1000万円以上を集める大型プロジェクトは他にもあるが、目標金額数十万円の小規模なプロジェクトも多い。
海老蔵が投資した4100万円は、約8億円に
創業後、業績は右肩上がりで、売り上げは13億4000万円、純利益は8900万円、従業員は48名(19年9月期)。
市川海老蔵がこのマクアケに投資したのは17年9月のこと。約4100万円を投じて100株を保有する株主になり、翌年、株式分割して持ち株は20万株になった。
マクアケの上場初値は2980円。その後、株価は高騰して一時は4000円を超えた。市川海老蔵が投資した約4100万円は、この時点で、実に8億円まで資産価値が上がったのだ。