文春オンライン

『この世界の片隅に』資金集めたベンチャーの上場で、市川海老蔵・本田圭佑が大儲けしていた

2019/12/19
note

サイバーエージェント藤田社長と食事をして、自ら投資を希望

「海老蔵は、長野県で植樹プロジェクトを行った時、クラウドファンディングで経費を集めた成功体験がある。サッカーの本田がマクアケに投資したことを知り、マクアケの母体であるサイバーエージェントの藤田晋社長と食事をして、自ら投資を希望したそうです」(前出・経済誌記者)

 市川海老蔵は投資した理由についてこう語っている。

市川海老蔵氏 ©AFLO

「最大の魅力は、『みんなで作る』ことにあります。資金を集めるだけなら他にもやり方はあるけど、クラウドファンディングなら『資金』のレベルを超えて『思想』で提携できるんです。そもそも、日本の原動力は昔からトップ主導ではなく、助け合いだったはず。そんな日本でクラウドファンディングが始まったのは、1つの希望だと思っています」(『Forbes JAPAN』17年10月10日)

ADVERTISEMENT

 海老蔵は投資だけではなく、プロジェクトの実行者として、クラウドファンディングへの挑戦も視野に入れているという(17年10月のマクアケのリリースより)。

 翌18年2月には、プロジェクションマッピングを演出に使った『源氏物語』の公演に際し、マクアケを利用。1507人から目標金額を上回る約2100万円を集めた。投資家は公演を鑑賞できるほか、舞台袖から本番中の舞台を見学できる権利などが得られた。

©iStock.com

本田圭佑の持ち株の資産価値は約50億円

 市川海老蔵がベンチャー企業に投資したのは初めてと見られるが、一方の本田圭佑はてだれの投資家として知られている。

「16年に、自身のブランド『KSK』(ケイスケ)を冠にしたファンド『KSK ANGEL FUND』を組成し、すでに50社以上に投資したと見られます。18年には、米国の俳優ウィル・スミスと『ドリーマーズファンド』の組成を発表しました」(前出・経済誌記者)

 本田圭佑のKSKは16年12月に約1700万円、17年9月に約700万円をマクアケに投資。市川海老蔵より投資が早く、その分だけ株を安く取得して、持ち株は149万8000株まで増えた。

 KSKは、上場時にマクアケの株を1株1550円で25万株を売り出し、約3億9000万円の投資利益を得た。現在の持ち株の資産価値は、1株4000円として海老蔵をはるかに上回る約50億円に上る。