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大津城の天守を“リサイクル”!

 現存する天守は、美観と実用を兼ね備えているほか、大津城(滋賀県大津市)の天守を再利用しているのも特徴です。5重4階の大津城天守の部材を用いて、3重4階地下1階の彦根城天守が新たに組まれています。

彦根城天守。

『井伊家年譜』には、慶長11年(1606)に大工棟梁の浜野喜兵衛の手によって大津城の天守が移築されたと記されています。大津城は、慶長5年(1600)の関ヶ原合戦の前日に大砲による攻撃を受けて開城し、慶長6年(1601)に廃城となった城。開城したものの天守は倒壊を免れたため、縁起のよい建物とされたのかもしれません。昭和32~35年(1957~60)に行われた解体修理工事で浜野喜兵衛の墨書銘が発見されていることから、この移築説は信憑性の高いものと証明されています。

天守最上階には、破風を利用した「隠し部屋」も。
彦根城の北東にある、名勝・玄宮園。

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 天守の柱には、実際に埋め木されたほぞ穴のある建築材などが散見されます。旧天守の転用材なのでしょう。琵琶湖を経由して舟で運べば大津城からの運搬も非現実的ではありませんから、すでに製材された材木を効率よく再利用したと思われます。