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本を通じて世界が広がる

 ジャンルにかかわらず貪欲に読書しているイメージがあるが、実は学生時代、生まれてから3冊しか本を読んだことがなかったという「でんすけのかいぬし」さん、読書に目覚めたきっかけは、カバーイラストが好きで手に取ったファンタジー小説にハマったからとのこと。

 そんな「でんすけのかいぬし」さんのオススメ本は、イアン・マキューアンさんの『未成年』(新潮クレスト・ブックス)。信仰心から手術を拒む少年と少年を救うために法廷で闘う裁判官の物語。日本の一般的な宗教観からは、想像しにくい世界の物語は、どこか日本じゃない異世界の物語として読める。本を通じて未知の世界に触れるという意味では、ファンタジーとしての読書なのかもしれない。

「でんすけのかいぬし」さん(顔は非公開なので「でんすけ」が身代わり)、『未成年』とともに。

 名前も、店名すら書いていない「本屋でんすけ にゃわら版」だが、最近では、口コミでその評判が広がっていて、出版社から特別版作成の依頼も来ている。今までも、美術書や外国文学の魅力を伝えるフリーペーパーを依頼され、「にゃわら版」号外として発行されている。法律専門書の出版社、有斐閣からの依頼で、有斐閣の公式キャラクター「ろけっとぽっぽー」(ポケット六法→ぽけっとろっぽう→ろけっとぽっぽー)と「でんすけ」のコラボ缶バッチを作ってガチャガチャをやっている(有斐閣の法律書フェアと熊本地震チャリティとを兼ねている)。「にゃわら版」制作にあたっては、それぞれの本を徹底して読み込み、自分の言葉で魅力を伝えようと努力する。本をほとんど読んだことがなかった子どもが、本を通じて、新しい世界を知っていくように、「でんすけのかいぬし」さんも「にゃわら版」も、貪欲に新しい世界を広げているようだ。

白水社の外国文学シリーズ、エクス・リブリスのフェア。
フリーペーパーは、出版社からの依頼で「本屋でんすけ にゃわら版」号外として制作。
「ろけっとぽっぽー」と「でんすけ」のコラボガチャガチャ。
売上げの半分は熊本地震チャリティに。

セントポールプラザ書籍店
住所 東京都豊島区西池袋5-10-5
営業時間 月~金 8:50~18:30/土 8:50~14:00
(※休業期間・入試・各種行事により営業時間変更あり)
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