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■オーバーブッキングを回避する方法はあるのか?

 航空会社が実際の座席数よりも多く予約をとっている以上、席にあぶれてしまう可能性は常にある。要は「椅子取りゲーム」と思えばいい。椅子取りゲームでは俊敏さですべてが決まる。オーバーブッキングであぶれることを回避することはできないが、さまざまな対策を行うことでその可能性を下げることはできる。

 そこで、どのような乗客に搭乗の優先権が与えられているのか。ユナイテッド航空(アメリカ・カナダ発のフライト)の例を見てみたい。

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ユナイテッド航空運送約款(2017年2月17日現在 英語)
https://www.united.com/web/ja-JP/content/contract-of-carriage.aspx#sec25
によれば、最優先となるのは、障害者・保護者のいない18歳未満の乗客である。

 そのほか、以下の条件が考慮される。

予約クラス(高額の航空券ほど優先順位が高い)
旅程(乗り継ぎ便がある乗客は優先される可能性が高い)
マイレージの上級会員(マイレージの上級会員は優先順位が高い)
事前座席指定をしていない旅客のチェックイン時刻(事前座席指定をしている乗客が優先される。そうでない場合は、チェックインが早い乗客のほうが優先順位は高い)

 このうち、乗客として簡単に対策がとれそうなのは、チェックインのみだ。現在は主要航空会社の多くがオンラインチェックインを実施しているので、早めにオンラインチェックインを行い、座席指定も済ませてしまいたい。当日ゲートに現れるのもギリギリに到着するのは避けた方が無難かもしれない。

 もう一つ忘れてはならないのが、満席にならないかぎり、オーバーブッキングにはならないということだ。

 そのため、できるだけ混雑しそうな便を回避するのも予定通りの便に乗りたいときには重要だ。同様に最終便を予約していてあぶれてしまうと、自動的に翌日となってしまうので、最終便は極力避けたほうがよい。

 筆者はこれまでにユナイテッド航空だけでも100万マイル(160万キロメートル。地球と月を2往復強の距離に相当する)搭乗してきたが、オーバーブッキングに遭遇したことはない。前述したように、私たちにとって圧倒的にリスクが高いのは、飛行機の遅延や欠航だ。これらの対策については、別の機会に改めて考えてみたい。