ハワイ観光の情報源は初心者向けかディープ過ぎるものばかりで、2回目、3回目のリピーター向けのものがほとんどないのが現状……そこで、イベントプロデューサーとして1980年代からハワイ渡航歴50回以上、平均滞在期間2週間の筆者が、ハワイに別荘を持つようなセレブからの提案ではない、あくまで短期旅行者の立場で、より深く充実した「旅と食」をハワイで楽しむコツについて紐解く第3回。前回から引き続き、4泊6日の標準的なツアーは、どう過ごすのがいいかを示そう。

鍋の後はビーチサイドで

 初日、夜は確かに眠い、しかも機内のみの睡眠ではさらに疲れが襲ってくる。ところが、早々に寝てしまうと早朝に目が覚めてそれから眠れずハワイ時間に体が慣れていかない。短期決戦の弾みをつけるためにも、初日はできるだけ夜遅くまで頑張って起きて、日常と同じように爆睡することが必要だ。

 となると食事の後はビーチバーである。真っ暗で海はほとんど見えないが、波の音とそよぐ風、木々のざわめきが最高の癒し。月が出ていればまた格別に美しい。初日から絶対的ハワイを体感せずしてベッドに入ってはいけない。

ADVERTISEMENT

 ワイキキビーチ沿いに建つ高級ホテル群は、ほぼ全てマイタイやチチなどのカクテルが飲めるビーチに面したバーを持っている。「ハレクラニ」「ロイヤルハワイアン」「シェラトン」など軒並み行ってみたが、ベストは「モアナサーフライダー」の「ザ・ビーチ・バー(バニヤン)」に尽きる。ここで、ハワイアンミュージックの生演奏を聴きながら、ゆったりと移動の疲れを癒す。少々寝てしまってもいいかなというぐらいの快適さ。もちろん毎日訪れてもかまわない。

初日の夜はビーチバーでマイタイを ©iStock.com

2日目から路線バスを使い始める

 朝はワイキキビーチを歩いて日光に当たることが時差ボケの解消になるし、ワイキキの新しいマーケットプレイスをチェックしたり、超高級ホテルをのぞいたりと、徒歩圏にも楽しみは満載だ。

 ワイキキについては一般的なガイドブックに譲るとして、いよいよ路線バスに乗ってまずはアラモアナセンターを目指してみよう。ここには衣食のすべて、高級からB級までそろっている。インフォメーションや一部の店で日本語も通じる。旅行という高揚感も相まって買い物好きにはたまらない巨大空間である。ハワイ州は消費税が安い(日本の半分強)ので、それもまた魅力となろう。

 ここは、ランチにふさわしいステキなカフェやディナーに訪れたいステーキハウス等、飲食店にも事欠かないが、オススメは4階「マイタイバー」。昼下がりも夕方も、そして夜遅くも、あらゆる時間帯で最も手っ取り早くハワイらしい飲食体験ができる店だ。

 喧騒と雑踏と東洋人の旅行者だらけの巨大ショッピングモールにあって、観光客はほとんどおらず、治外法権かと思えるぐらいのローカル憩いの場。ステキなハワイアン女性がサーブをしてくれるので(思いっきりチップをねだられるが)、奥様・お嬢様が買い物をする間、おとーさんはここで一人ビールしながら待つというのもオツなものだ。

アラモアナセンターを起点に動きを考える

 今、ものすごい勢いで開発が進むアラモアナセンターエリア。飲食店も次々に変わっていくのでオススメが難しい。センター内や眺めのいい海側のみが注目されやすいものの、センターの山側、直角に走っているケアモク通り(Keeaumoku St.)沿いを山に向かって歩いてみよう。

華やかなショップが立ち並ぶアラモアナセンター

 まず左手に巨大スーパーが見えてくる。「Wal-Mart」だ。ここは生鮮食料以外、キッチン用品、薬、衣類から家電まで、あらゆるアメリカンなものが手に入る。サプリを頼まれたならここでの安売りを探すのもいいし、入口入ってすぐにお土産コーナーもある。特にオススメは、ハワイのお土産として必ず求めるマカデミアナッツだ。さまざまなメーカーの色々な種類・詰め合わせが大量に販売されていて、おそらくハワイで一番安い。

 Wal-Martの裏側には、日本の串カツやLAで人気の四川料理など新規出店が相次ぎ、ケアモク通り沿いの左右にも、テールスープで有名な「朝日グリル」、アメリカ人による初の本格鮨店「Sushi ii」、そのままサウスキング通り(South King St.)まで歩く元気があれば、その角の駐車場奥に、日本のスパゲティチェーン「壁の穴」の関係者が出した「Chez Kenzo Bar and Grill」なる楽しいパブレストランもある。