文春オンライン

最終結論! 「二世帯住宅」だけは絶対に買っても建ててもいけない“これだけの理由”

親世帯が亡くなった後、必ず持て余す

2019/12/30
note

二世帯住宅の意外な“やっかいさ”

 このスタイルの住宅は、どちらかといえば昔ながらの三世代同居を実現した家ということができる。昔の家はたいてい三世代が同居し、お互いが助け合いながら生活をするものだった。

 現代の特に都市部では、こうした広い家を確保することは難しいし、親世帯と子世帯が全くプライバシーもなく暮らすことには抵抗感を覚える人も多い。同じ家の中でも互いの生活スペースは分けて暮らそうということで、二世帯住宅ができたのだ。

 ところがこの二世帯住宅は、不動産マーケットの観点で言えば、やっかいものだ。

ADVERTISEMENT

©iStock.com

親が亡くなった後に「持て余す」子世帯

 二世帯住宅にとって、はじめの「やっかい」が、親が亡くなった後の“親世帯部分”の扱いである。親がいなくなった後を子世帯が使えば当分の間、問題はないのだが、最近の親は長生きということもあって、親が亡くなる頃には子世帯でも、すでにその子供、つまり親からみた孫たちが卒業して家を出ているケースが多い。

 もちろん孫世帯が親世帯のあとに入居してくれれば、昔の日本の標準的な三世代同居の状態が継続できるので問題解決なのだが、今の孫世代でそうした選択をする世帯は多くない。むしろ、都心部に出てマンション暮らし。親の不便な家には戻ってこないという子供も多いだろう。

©iStock.com

 とはいえ、夫婦だけとなった子世帯が親世帯の分まで使おうにも、家は中途半端に広く、「分離型」で水回りなどがすべて別にあれば、掃除やメンテナンスも「やっかい」ということになる。

 また、親世帯部分だけを人に貸そうと思っても、玄関や水回りが一緒では貸しようがない。こうして無駄に広い家を相続した子世帯は、それを「持て余す」ことになるのだ。

 いざ「売ろう」と思っても、自分たちが住む限り、親世帯の部分だけ切り離して売るためには、別棟にでもなっていなければ難しい。仮に別棟であっても、敷地が狭く、道路付けが十分でないと、分離して売ること自体がそもそもできない。