中川俊直 自民党 衆議院議員
「愛人とは思ってないです」
(じゃあどういう風に思っているんですか?)
「男女の関係がありました」
『週刊新潮』 4月27日号
18日、自民党の中川俊直衆議院議員が経済産業大臣政務官を辞任した。「一身上の都合」とされていたが、要するに女性問題だ。『週刊新潮』4月27日号に詳細がレポートされている。
がんと闘病する妻と3人の子を抱える中川氏だが、不倫関係にあった女性が「年に300日は一緒にいました」と告白。13年にはハワイでウェディングドレスを着て牧師の前で愛を誓ったという(入籍はしていないので重婚ではない)。さらに中川氏が交際していたという前川恵衆議院議員も巻き込んで泥沼化(前川氏は関係を否定)。
いざこざと中川氏の執着に呆れた女性から破局を告げられ、「週刊誌に全部話す」と言われた中川氏は「そんなことされたら僕は死んじゃう」と女性の自宅に突撃。ドアの前で土下座して号泣していたため、女性の通報によって渋谷署から警官が駆け付けた。さらに女性は警官からの提案に従って、渋谷警察署で「ストーカー登録」を行ったとのこと。なお、『週刊新潮』にはハワイでのウェディング写真や全裸で仁王立ちしている中川氏の写真も掲載されている。冒頭のやりとりは記者の直撃に対する中川氏の歯切れが悪すぎる返答の一部。セックスはするが、愛人ではないと。
中川氏は記者会見を開かず、自身のフェイスブックで「私が重婚罪にあたることはしておりませんし、また、ストーカー登録をされたかのような報道がされていますが、そのような事実は一切ございません」と釈明の書き込みを行った(4月20日)。
野党は中川氏の公の場での説明と議員辞職を求めているが、与党のベテラン議員たちも怒っている。萩生田光一官房副長官は「きちんと国民に説明すべきだ」とピシャリ。自民党の二階俊博幹事長は「自民党は当選1~3回生が半数以上を占める。若い議員にしっかり頑張ってもらわないと日本の政治はひっくり返っちゃうよ」と語ったという(いずれも産経新聞 4月20日)。金銭トラブルで離党した武藤貴也氏、不倫問題で議員辞職した宮崎謙介氏らと同じく中川氏も当選2回の「魔の2回生」だ。
「こんなくだらない問題よりもっと大切な問題を報道しろ」という向きもあるが、こんなくだらない問題を起こす人物が政務官を務めていて、くだらない問題で辞任してしまうことが問題なのだ。
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安倍晋三 首相
「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ。学校経営者では一番の資産家だ」
『週刊文春』 4月27日号
国有地の格安払下げをめぐって世間を騒がせてきた森友学園問題。名誉校長を務めていた安倍昭恵首相夫人の関与や、周囲の官僚らの「忖度」に関する追及も一段落といった模様。時事通信の世論調査によると安倍首相らの説明について7割近くの国民が「納得していない」と回答したが、首相自身は商業施設のオープニングセレモニーで「よく私が申し上げたことを“忖度”していただきたいとこう思うわけであります」(NNN 4月17日)と冗談を飛ばす余裕を見せている。
しかし、『週刊文春』4月27日号では、「学校法人加計学園」に440億円にも上る巨額の税金が投じられていたと報道されている。安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長は学生時代からの「心の奥で繋がっている友人」「腹心の友」(いずれも加計学園傘下の大学での安倍首相のスピーチより)。
冒頭の言葉は、安倍首相と近い関係者に首相がかつて語って聞かせたもの。加計氏自身も「(安倍氏に)年間一億くらい出しているんだよ」と酒席で漏らしたことがあるという(加計学園側は発言を否定)。加計氏は昭恵夫人とも非常に親しい間柄だといい、ここでも大きな忖度が働いたのではないかと報じられている。森友学園と比べても金額はこちらの方がケタ違いに大きい。
もっともストレートに異議を唱えているのは、石破茂前地方創生相だ。「世間で言われるように、総理の大親友であれば認められ、そうじゃなければ認められないというのであれば、行政の公平性という観点からおかしい」(『週刊文春』 4月27日号)。この問題について安倍首相が説明に応じることはあるのだろうか?
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安倍晋三 首相
「今日は風が結構吹いておりますが、大体常に逆風であります」
『週刊文春』 4月27日号
こちらは4月15日に行われた総理主催「桜を見る会」で飛ばした首相のジョーク。逆風はますます強まりそうだ。