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振り向きエリカ様、嵐二宮結婚、桜を見る会……日本中が「ポカーン」とした2019年を総ざらい

速水健朗×おぐらりゅうじ すべてのニュースは賞味期限切れである

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“令和おじさん”と“セクシーポエム大臣”

速水 ただ、その後の下落感がすごい。頂点は、8月の小泉進次郎と滝川クリステルの首相官邸への結婚報告。あれも同じ神奈川支部のドンである菅官房長官への報告だったわけで、進次郎のいい話題は全部、菅さんのポイントにもなっていた。だからこの頃の菅は、一気にポスト安倍の一角に躍り出ていた。

おぐら その後、小泉進次郎は環境大臣に就任し、セクシー大臣として話題を集めましたよ。

速水 いや、それはプラスポイントではなく、環境会議で中身のないスピーチだって批判されたんだけどね。

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おぐら セクシーポエム大臣。

小泉進次郎環境大臣 ©文藝春秋

速水 でも、あれだけ人気で、スピーチで人の心を掴むとさえ言われていた小泉進次郎が、大臣に就任した途端、雲行きが怪しくなった。その後、不倫や政治資金絡みの文春砲が撃ち込まれるんだけど。まあ、そういう失点はすべて菅官房長官のマイナスポイントになっているわけで、誰も菅さんが次期首相候補だなんて言わなくなった。

日本中がぽかーんとした「反社の定義は困難」見解

おぐら 新内閣が発足してから次々と大臣が辞めたり、いまだ謎に包まれた「桜を見る会」招待者名簿の問題もあり。結局、名簿は内閣府のシュレッダーで裁断されたってことでいいんでしたっけ?

速水 たぶん。デジタルデータも消えていて、「バックアップデータは行政文書には該当しない」って菅官房長官が返答をしてた。「情報は自由になりたがっている」みたいな深遠な言葉だよね。この頃は、毎日ワイドショーで内閣府のシュレッダーとシンクライアントシステムの説明を見ていた気がする。

おぐら 菅官房長官でいうと、さらに「桜を見る会」に反社勢力が参加していたことの発覚でもあたふたしてました。

桜を見る会にて、軽快な足取りの安倍晋三首相 ©AFLO

速水 政府は公式見解として「反社の定義は困難」なんだと。名簿のデータを消しちゃったのも問題だけど、定義が困難って言われちゃうと。

おぐら 日本中がポカーンとしましたね。吉本興業の闇営業問題は一体何だったんだ。

速水 いや、いろいろあった1年だよ。この国は電話だけでなく、コンピュータも廃止したほうがいいいかもね。

おぐら 文章も絵も手書き、保存は記憶、メールは手紙……って、それはコスパ悪いのでダメですね。

 

写真=原田達夫/文藝春秋

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