三月まで福岡、数年前には広島にいた。どっちもプロ野球チームがある土地だが、テレビでの扱われ方はなんだか違っていた。福岡は「ホークスが優勝すれば福岡も優勝! 福岡が優勝すればホークスも優勝!」とばかりに勝利に貪欲、勝てば歓喜。まあ派手である。広島のほうは「プロ野球はカープというチームしかないからカープのことだけ報じます」みたいな感じで、カープのことばっかり言ってる割には口調は淡々としていて不思議であった。土地柄なのか県民性なのか。
名古屋に引っ越した。中日ドラゴンズの地だ。しかしドラゴンズ、去年もひどい成績だったし今年も巨人相手に開幕三連敗、早々に「今年もか……」感が漂う。テレビ見ててもご当地ネタとしてはドラゴンズより浅田真央……。
しかし! ドラゴンズが本拠地ナゴヤドームに巨人を迎えて「開幕戦の雪辱を晴らす!」とばかり金曜夜のゴールデンタイム、地上波東海テレビ(フジ系)で中継だ。たぶん東海地区だけの中継。
で、この中継をじーっと見てましたが、試合経過も両チームのパッとしなさを反映して、淡白にゼロ行進。実況アナは「緊迫の投手戦!」と叫ぶが実態は「弛緩の凡打戦」。CM前にジャニーズ系男声が「ドラゴーンドラゴーン」と叫ぶジングルが寂しく茶の間に消えていく。画面の右上に「伊勢エビ五万円」「現金十万円」と視聴者プレゼント告知が常に出ていて、画面左上に「勝負は白熱の延長戦!!」と熱気を文字で強調するが試合は動かず盛り上がらない。
解説に立浪和義、山本昌、副音声解説に板東英二と、名古屋的には最高の布陣ながら、立浪の生来のものらしい陰気声で必死に選手をほめようとしているのが苦しいのと、たまに主音声に入ってきて「ようわからんけどなんで中日こんなやねん」とイライラしてる板東英二のムリヤリな笑顔がコワイ。山本昌だけ達観したかのごとく「打ち取ったのはたまたま」とか切り捨てて笑っている。それだけがかっこよくて救いみたいな中継でした。そして「ダラダラと延長しながらついに中継が途中で終わった」あとに中日がサヨナラ勝ち。この間の悪さ。そして翌日テレビを見てもそれほど中日のことで盛り上がってるわけでもなく、弱いのが続いたチームの地元とはこういうものか。このゆるい空気は嫌いではない。落合監督で優勝してた頃はいったいどんなだったんだろう。
▼『DRAGONS LIVE 2017 中日×巨人』
東海テレビ 4/14 19:00~21:49放送