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「ポスト安倍」人気急落 小泉進次郎は滝クリ結婚で何を失ったのか――「プリンスは必ず転落する」

2019/12/31
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 しかし、不思議なのですが、どこかの都市だけ飛びぬけて、300人以上を街頭に集められたというケースはほとんどない。一時は保守層に食い込むと分析していた学者もいましたが、私が何百回と見てきた自民党の演説会とは明らかに雰囲気が違う人たちが集まります。これほどメディアに取り上げられ、一部の論客によって無批判のうちにブームが盛り上げられているにもかかわらず、世論調査の政党支持率に表れない。今回のアンケートで出た数値が限界なのではないでしょうか。

 党本部のありかたを見ていても限界を感じます。やはり、野外フェス風の演説会を手掛けるイベント屋集団としての能力は高いのですが、「イベント屋」の域を出ません。斎藤まさし氏の「市民の党」を源流とする市民派の人たちが中心で、とても農山村、あるいは経済界には浸透するとは思えない独特のカラーを有しています。山本さんは「次の衆院選に百人擁立」と掲げていますが、町工場のような党本部の中に全国的な選挙戦略を組み立てられそうな人材は、年末に採用された元自民党関係者くらい。広報体制も脆弱で、私なんか、しょっちゅう取材に行って山本太郎さんとやりとりしているのに、いまだにプレスリリースが届きません。

7月の参院選で2議席を獲得した「れいわ新選組」山本太郎代表 ©文藝春秋

 一方、参院選で集めた4億円の使途も気になります。これは、いずれ総務省が公表するものですが、山本太郎さんが「総理大臣を目指す」と言っている以上、れいわ新選組が国政政党、政権を狙う政党としての資格があるかどうかを見極める材料になると思います。

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 私は山本太郎さんの伸びしろの大きさを感じていますが、今の状態でれいわ新選組にとどまるようなら、「政権担当能力を有する政治家」にはなれないと見ています。今ある「しがらみ」を見直し、もう一度、大きな党派に飛び込んで、経験豊かなトレーナーを付けた上で成長し、様々な政局を切り抜ける知恵をつけながら、組織のなかでポストも経験する。そのようなキャリアを描いていかないと、持ち前の「やんちゃさ」も生かされぬまま、これまでいたタレント議員とそれほど変わらない形で消えていくと思われます。

 しかし、今回の調査で選択肢になかった山本さんに対し、自由記述という形でこれだけの期待が集まるならば、6月に行われる東京都知事選に出ても良い勝負ができるのでは。2020年は、山本さんにとっても、水モノの人気を生かせるかどうか、大きな分かれ目になると思います。

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