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中央大・舟津選手と田母神選手の最後を見届けたかった――箱根駅伝2020「TVに映らなかった名場面」復路編

中央大・舟津選手と田母神選手の最後を見届けたかった――箱根駅伝2020「TVに映らなかった名場面」復路編

2020/01/04
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【7区】明治大・阿部選手が「アヴェイパー」になった日

 今大会は、選手のシューズがほとんどナイキのヴェイパーフライになった大会として語り継がれると思います。そんななか7区の注目は、明治大の阿部弘輝選手がどこのシューズを履くかと言うことでした。阿部選手は一昨年11月に行われた八王子ロングディスタンスで、1万メートル27分56秒45の記録を叩き出したすごい選手。

 明治大学はアディダスからウェアなどの提供を受けているいわゆる“アディダススクール”で、阿部選手もずっとアディダスを履いていました。果たして小田原中継所に現れた阿部選手は何を履いているのか?……(「陸王」みたいな展開ですね)……やはりナイキのヴェイパーでした。

笑顔でたすきを渡す“アヴェイパー”明治・阿部選手(右) ©文藝春秋

 なんと阿部選手まで……という思いも込めて、ネットでは「アヴェイパー」と言う言葉が誕生しました。ちなみに関東学生連合で10区を走った東京大の阿部飛雄馬選手も「アヴェイパー」でした。

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 7区の名物といえば、毎年11.8km地点の押切坂に現れる、「ドラゴンボール」のフリーザ様に扮したご一行。ここには日本テレビの固定カメラがあるのですが、フジテレビで放送されたドラゴンボールのキャラを映すわけにはいかない。画面に映りこまないように巧妙にテロップを入れたりする日テレと、映り込もうとするフリーザ様との攻防が、箱根駅伝マニアの楽しみの一つでした。フリーザ様は応援にその時々のトレンドを取り入れてくるのですが、今年はレコード大賞を受賞した「パプリカ」と、チョコレートプラネットのネタ「TT兄弟」。ポジション取りもバッチリ研究してきたのか、しっかりとカメラに写り込んだ彼らは、Twitterのトレンド入りも果たしました。