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中央大・舟津選手と田母神選手の最後を見届けたかった――箱根駅伝2020「TVに映らなかった名場面」復路編

中央大・舟津選手と田母神選手の最後を見届けたかった――箱根駅伝2020「TVに映らなかった名場面」復路編

2020/01/04
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【10区】中央・舟津選手と田母神選手の最後を見届けたかった

 例年、ゴール地点で待ち受けることはあまりないのですが、今回は絶対にゴールに駆けつけようと思っていました。理由はひとつ。中央大4年生の舟津彰馬選手の最後を見届けたかったから。

 4年前、中央大が予選会で11位に終わり、箱根駅伝連続出場が途切れたとき、1年生ながら主将を務めていたのが舟津選手です。その時、関係者やOBからのプレッシャーもかかる雰囲気の中、舟津選手がした名スピーチは、記憶に残っている人も多いはずです。このとき僕は、たまたま舟津選手の前にいて、スピーチの様子を撮影していました。

 そこから僕は、ずっと舟津選手のことが気になっていた。ずっと彼を応援し続けたいと思っていたんです。その彼が今年最後の箱根を迎える。

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 そしてもう一人、舟津選手が1年生で主将を務めたときに、副主将を務めたのが同級生の田母神一喜選手です。今年駅伝ブロックの主将を任された彼は、本来中距離が主戦場でしたが、主将として箱根を目指すべく、長距離の練習に励むなど、奮闘してきました。この2人の最後を見なければ、今年の箱根は終わらないと思っていたのです。結局2人ともメンバーには入れなかったのですが……。

左から中央大の田母神選手、二井康介選手、舟津選手 ©文藝春秋

 舟津選手は卒業後、九電工で競技を続けます。彼が実業団でどんな競技人生を送るのか。こうやって陸上ファンは箱根が終わった後も、選手への興味が続いていくのです。走った選手だけでなく、走らなかった選手の人生も箱根駅伝の魅力のひとつ。ゴールでの彼らの姿を見て、箱根駅伝はこの先もずっと僕らを魅了し続けてくれると、感じるものがありました。「令和の箱根駅伝」に期待したいですね。

構成/林田順子(モオ)

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