区間記録が続々と更新された第96回箱根駅伝。記録とともに、選手が履くシューズにも注目が集まった。ナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」が大会を席巻。出場10選手全員がこのシューズを履いて総合優勝を果たした青山学院大は、その象徴となった。
毎年選手の足元をチェックしている駅伝マニア集団「EKIDEN News」(@EKIDEN_News) は、今年も出場選手が履いたすべてのシューズを現地で徹底調査。大会前に「今大会は約8割の選手がナイキのヴェイパーフライを履く」と断言していた主宰の西本武司氏が「シューズで見る箱根駅伝」をマニアックに分析する。今年の箱根は、予想を上回る驚きの結果だった――。
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今年の箱根は予想以上に、たくさんの選手がナイキの「ヴェイパーフライ」(ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%)を履いていました。どれぐらい履かれていたのか、まずは昨年と比較してみましょう。
【2019年箱根駅伝のシューズ内訳】
・ナイキ 95人(ヴェイパーフライ87人+その他のナイキ8人)
・アシックス 51人
・ミズノ 24人
・アディダス 39人
・ニューバランス21人(ミムラボモデル15人+その他のニューバランス5人+三村モデル1人)
【2020年箱根駅伝のシューズ内訳】
・ナイキ 177人(ヴェイパーフライ ネクスト%)
・ミズノ 9人(プロトタイプ7人+その他のミズノ2人)
・ニューバランス 9人(プロトタイプ1人+フューエルセル7人+ミムラボモデル1人)
・アディダス 7人(プロトタイプ3人+その他のアディダス4人)
・アシックス 7人(プロトタイプ3人+ソーティ4人)
・デサント 1人
なんと84.7%もの選手がナイキのヴェイパーフライを履いたのです。今年はナイキが席巻すると予想しましたが、まさかここまでとは……。
ちなみに報道では「ピンクのナイキ」という呼び方が目立っていましたが、「ヴェイパーフライ ネクスト%」は3色あるので覚えておきましょう。2019年4月に発売された初代グリーン、9月にMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)に合わせて発売されたピンクブラスト、そして駅伝シーズンに向けて12月に発売された「EKDEN PACK」の左足がオレンジ×右足がグリーンのデザイン。これらは色違いというだけで、性能に差はありません。最新作の左右色違いはナイキから支給されたもの、グリーンとピンクは過去のモデルなので自前で購入した可能性が高いです (もちろん最新作を購入した選手もいたことでしょうし、履きなれたグリーンとピンクを履いてる場合もあります)。
ともかく右を向いても左を向いてもヴェイパーフライだらけ。驚きの結果となりました。