告発を受け、取材班は今年1月初旬、仕事終わりのA子さんを直撃。すると「少し待ってください」と戸惑いを見せたものの、しばらくして事の顛末を語り始めた。
「彼と出会ったのは2018年の夏頃です。暴行を受け始めたのは2018年末頃から。彼の女性関係について指摘したら激昂され、体を持ち上げられて投げ飛ばされたことがきっかけでした。最初はじゃれあいのようなものだと思うこともありましたが、彼は総合格闘技の経験者なので力がものすごく強いんです。カッとなった彼に押されるだけでも結構痛いので、彼を怒らせないように毎日必死でした」(A子さん)
A子さんが李氏の部屋を訪ねるようになってから約半年間、李氏の精神的・肉体的な暴力は続いた。
「彼は嫉妬深く、独占欲が強い。私がほかの男性や友人と仲良くしているだけで、すぐに叱られました。彼の暴力は、私を突き飛ばすところから始まります。その後、韓国語で『消えろ』『死ね』『狂ってんじゃないの?』などと罵ってきました。『改善するから怒っている理由を教えて』と言っても聞いてもらえません。でも、それでも好きだったから、彼の暴力や暴言も我慢してきました」(同前)
交際から約半年が経った2019年6月22日、A子さんは「さすがに殺されると思って」李氏の元から逃げ出した。その日は、2人でテレビ番組をパソコンで見ていたという。
「私が番組に出ていたアイドルを見て表情を緩ませたのが気に食わなかったようで、彼が突然怒りだしたんです。どうしたらいいかわからなくて、『じゃあもう(番組を)見なければいいじゃん』とパソコンを閉じようとしたのですが、『俺のパソコンに触るな』と言って、彼は私をマットレスに押し倒し、馬乗りになって右手で首を絞めてきました。殴る蹴るの暴力は日常的でしたが、首を絞められたのは初めてで……。脚で蹴り上げて彼を引き離そうとしたのですが無駄でした。首を絞められていた時間は10秒〜15秒くらいだったと思います。本当に死ぬかと思ったし、すごく怖かった。首を絞める力が緩んだ瞬間に手を振り払い、すぐに彼から離れました」(同前)
すると李氏は“奇行”とも言える行動に出た。
「彼は下着姿だったのですが、その格好のまま、私のカバンを玄関の方に投げ捨て、その投げ捨てたカバンを持って、マンションの3階にある部屋から1階まで階段を駆け下りて行ったんです。私はそのすきに絞められた首の写真を撮り、母親に今すぐ迎えに来て欲しいと連絡を入れました。少し心の余裕ができた後、彼の様子を見に行くと、下着姿で私のカバンを抱え、マンションの1階をウロウロしていました」