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現総裁が就任する直前に起こった“珍事”

 現在の総裁は韓国警察出身の金鐘陽(キム・ジョンヤン)氏だ。この金氏が総裁に就任する直前、 ICPOではこんな“珍事”が起きていた。

「金氏の前任は中国公安部出身の孟宏偉(モウ・コウイ)氏という人物で、彼は、16年に中国出身者として初の総裁に就きました。ところが、18年、孟氏が突然失踪してしまったのです。後に孟氏は、中国当局から拘束されて取り調べを受けていたことが判明したのですが、2020年の任期満了を待たずして総裁職を辞任するという前代未聞の事態を引き起こしたのです」(同前)

 そんな ICPOとは、一体どのような任務を行う組織なのか。

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「ICPOの任務を一言でいうと、世界の警察間の橋渡しをしている組織です。膨大なデータベースを有し、犯罪に関する情報を加盟国で共有するために機能する組織であるともいえます」(同前)

ICPOからの“赤手配書”

 1月2日、レバノン当局は、ゴーン被告について日本の要請に基づいて出された ICPOからの“赤手配書”を受理している。8日には、インターポールのHP上でも、この手配書の一部が公開された。

カルロス・ゴーンの手配書。インターポールのHPより

 こうした“手配書”には、さまざまな種類があるという。

「手配書は、右上に塗られた色から、さまざまな呼び名があります。赤、青、黄色、黒、紫など7色の手配書に加え、美術品の盗難に関する手配書などもあります」(同前)

 例えば、“赤手配書”は、犯人の引き渡し請求が前提となり、逃亡犯人などの身柄の拘束を求める手配書である。“青手配”は、犯罪者の足取りを掴むための情報照会要請を行うものだ。

「戸籍やパスポート番号などの基礎情報から、犯歴や指紋、写真などが記され、犯罪の概要や、法的根拠などが、対象国に送られるのです」(別の警察庁関係者)