でっかいカラオケボックスで関係先の新年会があり、半分女子会みたいなノリになってしまって居心地が大変悪かったんです。うるせえぞお前ら、人のカラオケは静かに聴け。で、途中でディズニーの問題作『アナと雪の女王2』の話題になり、内容への賛否を巡って中年女性陣が激論となり、どうでもいい私は半笑いでビール飲みながら置物状態になっておりました。

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好きなことで生きていくのは悪くない

 映画を観ていない私には口を差し挟む資格はございませんし、彼女たちの人生観、女性観については是非もなし。いろんな意見があるのはいいことですね。ただ、話は女性同士の友情は育めるのかとか、ありのままで生きることの尊さみたいなテーマに移り、俄然萎えるわけです。

 いや、まあ、ありのままで生きる、というのは原則として素晴らしいことだと思うんですよ。みな、ありのままに、自分の好きなように生きていきたいと思っていて当然です。

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「好きなことで生きていく」というのは人生の理想であり、好きなことであれば取り組める、好きなことがカネになるというのは良いことだと思います。それは間違いない。

「ありのままの自分では立場がなくなる」という認識

 でも、実際には私たちの人生を思い返せば、仕事というのはたとえ好きな領域の事柄であっても、その仕事の8割9割は面倒くさい雑用であり、くだらない人間関係に支配されています。顔は笑っていても、心の中では呪詛が唱えられ、ここで自分をありのまま出したら思わぬ地雷を踏んでポジションを失うのではないかという計算が働きます。

 初代『アナと雪の女王』のテーマソング「ありの~ままの~♪」が女の子たちだけでなく働く男女にヒットしたのも、ありのままの自分を出したらいろんな面で立場がなくなることの怖ろしさが分かってのことではないかと思います。

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 そして、私たちは心のどこかで自分の周囲、職場、学校、好きな人、家族などに、自分のありのままを受け入れて欲しいという願望があります。酔っ払った女性がよく「私にはいい男がやってこない」という愚痴に続いて「私の外見よりも中身をありのままに愛して欲しい」とか仰るわけですが、うるせえ鏡を見ろ。中身をありのままに見た結果、酒を飲んで酔っ払って盛大に愚痴を垂れ流している女性であったならば、そりゃあ当然男も寄って行かないよなあ、食虫植物的な状態だよなあと思います。