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大女将さんに話を聞くと、「仙龍」は昭和34年創業だという。なんと私と同じ60歳だというと大喜びされた。「あんたはOBかい?」と聞くので、0.1秒で「違います」と答えた。
「食べたいものは何でも作ったんだよ」
なぜそばを出すようになったのかを聞いてみると、意外とあっさりした答えが返ってきた。
「店を始めた時からあるよ。食べたいものは何でも作ったんだよ」とのこと。なるほど、埼玉県には製麺屋さんも多く、そばうどんが好きな人も多いのだろう。「仙龍」はそういう意味で間口の広い中華店だったわけだ。
そうこうしてるうちに「もやしそば」が登場した。
シャキッと炒められたもやしと豚のばら肉とニラが少し。スープをひとくち啜ってみると、これは熱くて確かに旨い。やけどしそうになりながら麺を食べると地元の製麺所の中華麺だろう、なかなかコシもあってツルツルと食が進む。
『これを浦高生は食べているのか。うーん、ウラヤマシイ』
と感心して食べていたが、ミッションがあったことを思い出し、途中で若女将に「たぬきそば」(600円)を無謀にも追加注文してみる作戦にでた。大女将の「よく食べるなあ~」という掛け声も入り、店内が盛り上がる。程なくして登場した「たぬきそば」はたくさんのたぬきとかまぼこ2枚がのって量もかなり多い。