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東大からNHKへ入局した岩田明子氏

 岩田明子さんは千葉高校を卒業後、東京大からNHKに入局し、いまは解説委員として安倍総理の動向を伝える。取材力に定評があり、総理への食い込み方は半端でない。ときに総理の胸の内まで掘り下げる。

 たとえば、2018年の平昌オリンピックのころ――。

「安倍は五輪開催に祝意を述べた一方、慰安婦問題、そして徴用工問題に言及する。ここを避けては“未来志向の日韓関係”はあり得ない、との考えからだ。すでにソウル地裁は新日鉄住金などに対し、損害賠償を命じる判決を出していたが、この時点ではまだ大法院は確定判決を下していない微妙な情勢だった」(「文藝春秋」2019年12月号)

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岩田明子氏 ©文藝春秋

 安倍総理を賛美する言動は見られない。しかし、野党の一部議員からは「安倍シンパ」と思われている。2019年、次のような趣旨の解説が気に障ったからだろう。

「外交・安全保障政策の一貫性、継続性によって、日本の存在感が高まった」

「国際社会で首脳間の対立が目立つなか、安倍総理大臣が仲介役、橋渡し役となるケースが見受けられました」

「去年のG7サミットで、トランプ大統領とほかの首脳が対立した際には、安倍総理大臣が落としどころを示し、首脳宣言のとりまとめに一役買った場面もありました」

「中東紛争に備え原発再稼働を急げ」

 奈良林直さんは1952年生まれ。千葉高校から、1972年東京工業大に進み、同大学院原子核工学修士課程を修了した。その後、東芝電力・産業システム技術開発センターで原子力の安全性に関する研究に取り組み、北海道大教授を経て、母校の特任教授となった。

 国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の理事をつとめており、原子力政策で積極的に発信している。最近では、同研究所のウェブサイトで「中東紛争に備え原発再稼働を急げ」(2019年9月30日)と記した。その一部を抜粋しよう。

「中東紛争が拡大し、中東からの石油、天然ガスの輸入が途絶えれば、我が国経済への大打撃は避けられない。電力各社は既に東南アジアなどの天然ガスの追加発注をしているが、火力発電用の石油や、産業・運輸部門で使う石油は大幅不足に陥る。来年の東京五輪は猛暑のさなかに実施される。その時、電力供給が止まれば大混乱となるのは必至だ」

 また、「政府は、成長戦略の1つ、原発輸出・エネルギー政策を強靱化せよ」(2019年1月21日)がある。

 奈良林さんは産経デジタルのオピニオンサイト「iRONNA(いろんな)」で論陣を張る。

福島の風評被害を煽り立てる原発『危険処理水』のウソ」(2019年11月8日)
『原発を止めるリスク』北海道大停電が教えてくれた再稼動の意義」(2018年9月12 日)
『原発はトイレなきマンション』のいい加減な批判に徹底反論する!」(2017年1月10 日)

 安倍政権は原子力政策について、原子力規制委員会の規制基準に適合した原発の再稼働を進める方針を採っており、奈良林さんの考え方に近い。