安倍政権とOBOGの親和性 その因果関係は?
千葉高校著名OBOGの言動から、なるほど、安倍政権と親和性が高いと言える。だが、両者の因果関係を見いだすことなどできない。千葉高校が保守的な教育を行っているとか、思想的政治的に現政権寄りの生徒が集まったとかという話はまったくない。偶然の産物である。千葉高OBOGに聞いてもさっぱりわからない、という。
「関東のなかでは東京、神奈川よりも保守地盤が強く、自民党の牙城みたいなところがあるからかな」と話すOBがいたが、それだけの理由で、安倍政権にこれだけ近い、しかも、濃いメンバーが揃うという説明はできない。
安倍現政権打倒に執念を燃やすあの人も
こうしたなか、安倍現政権打倒に執念を燃やす千葉高校OBがいる。
日本共産党委員長の志位和夫さんだ。1954年生まれ。千葉大学附属小中学校、千葉高校、東京大工学部物理工学科という当時、地元ではエリートコースを進んだ。東京大1年のとき、共産党に入党し、大学卒業後は党東京都委員会、党中央委員会に勤務した。1993年に初当選し、2000年党委員長になった。
千葉高OBによれば、同窓会で集まっても卒業生の活躍があまり話題にならないという。何かと注目される小川榮太郎さんは、千葉高校同窓会メーリングリストに入っており、議論がわき起こることはないようだ。奈良林直さんが原発擁護派として批判にさらされたこともあったようだが、同窓会のなかではみなさん、大人の対応をしている。
千葉高校は県内でもっとも古い歴史がある。神童、天才を育ててきた。2000年代前半まで県内では東京大合格者数で他校を圧倒していた。自他ともに千葉でもっとも賢い学校であり、勉強にはまじめな生徒が多かったという。その時代の卒業生が安倍政権に近いところで活躍しているが、千葉高校OBがこんな心配をしている。
「2002年、東大合格者数で渋谷教育学園幕張高校(渋幕)が千葉高校を初めて抜いて、卒業生はみんなショックを受けていました。そこから、渋幕を超えられない。もう、小川さん、岩田さん、志位さんのようの超個性的な秀才は現れないんじゃないかな。そういう意味で、いま安倍政権を取り巻くOBOGたちの活躍ぶりは、千葉高最後の華やかな舞台かもしれない」
高校同窓たちが、同じ時代に政権のありようをめぐってこれほどキャラを立たせながら活躍するシーンはめったに見られない。千葉高OBOGはじつにおもしろい。最後とは言わないで、これから先、千葉高校の懲りない面々たちが暴れることを期待したいものである。
千葉高出身者には、そのほかに神崎武法(元公明党委員長)、三谷太一郎(東京大名誉教授)、中江利忠(元朝日新聞社社長)、海堂尊、山川健一(以上、作家)、横澤彪(元フジテレビプロデューサー)、吉田填一郎(元日本テレビアナウンサー)、宇津井健、市原悦子(以上、俳優)、サエキけんぞう(ミュージシャン)、石井四郎(陸軍軍医、731部隊創設者)などがいる。