今月は、2010年1月に初代「iPad」が発表されてから、ちょうど10年になります(国内発売は2010年5月)。ここまでの10年間、およそ1年刻みで新モデルが投入され、性能の向上、機能追加、および薄型軽量化が図られてきました。

 また小型版の「iPad mini」のほか、薄さを追求した「iPad Air」、さらに最上位モデルの「iPad Pro」といった派生モデルも登場し、現在に至っています。

 初代モデルの系譜に連なる無印の「iPad」は、現行モデルが第7世代に相当しますが、並べてみるとその外観こそ違えど、今日まで受け継がれてきているDNAを感じ取ることができます。今回はその2製品にiPad Proを加えた3製品を比較しつつ、iPadの進化の足跡をたどってみました。

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iPad(第1世代)。当時販売されていた、iPhone 3GS譲りの丸みを帯びたボディが特徴。右は2019年に発売された第7世代モデル

このボディ、決してバッテリーが膨張しているわけではありません

 いま初代iPadを手にするとまず実感するのが、約13.4mmという、現在のスマホやタブレットからとても考えられない分厚さです。背面が大きく膨らんだデザインは今見るとお世辞にもスタイリッシュとはいえず、まるで内部のバッテリーが膨張しているように見えてしまいます。当時もすでに多少の違和感はありましたが、いま見るとかなり異様です。

背面の比較。デザイン自体はそっくりですが、中央部が大きく膨らんでいるのが特徴です
横から見るとその膨らみ具合が一目瞭然。もちろん内部のバッテリーが膨張しているわけではありません

 もうひとつ、大きな違いは重量です。本製品は約680gと、現在のこのサイズのタブレットの標準的な重量である400g台後半からすると、プラス200gほどの重量があります。200gと言えば大画面スマホ1台ほどの重量で、そのヘビーさはかなりのものです。

 機能面では、カメラを搭載していないのも大きな違いです。現在のiPadは、正面および背面にそれぞれカメラが内蔵されており、上位モデルのiPad AirやiPad Proになると、背面からカメラが飛び出すほどの存在感があります。カメラを搭載しない初代モデルは背面がのっぺりとしており、今となってはどこか不思議なデザインです。

第7世代モデルの上に初代モデルを重ねた状態。当時のタブレットはカメラがないのも珍しくありませんでした