そして、電源をオンにするとすぐ気づくのが、画面の解像度の違いです。iPadは第3世代モデルでRetinaディスプレイを採用し、現行モデルとほぼ同じ高解像度になりますが、この初代のモデルの時点では、1,024×768ドット、解像度は132ppiという、現在では格安タブレットでもお目にかからないスペックでした。
画面をアップで見ると、そのアイコンのギザギザ加減は一目瞭然で、300ppiオーバーも当たり前な現行のスマホを見慣れた目には、かなり辛いものがあります。ボディの厚みや重量は許容できても、実際に使うとなると、この部分で耐えられない人が多いでしょう。
画面サイズが負けても、現行モデルにはない便利な機能があった
他にも細かいところで違いがあります。充電用ポートは、現在はLightningのほか、iPad ProではUSB-Cが採用されていますが、当時はまだ横長形状のDockコネクタが採用されていました。その後のLightningへの切り替わりでDockコネクタのケーブルや周辺機器が一斉に使えなくなり、困った経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。
またホームボタンは、見た目こそ現行のiPadとそっくりですが、指紋認証(Touch ID)を搭載しておらず、指を乗せただけではロックが解除されません。この初代モデルをいま現役で使おうとした場合、操作性でネックになるのは、むしろこうした部分かもしれません。
また上下左右のベゼル(ディスプレイを囲む縁)の幅も、iPad(第7世代)との比較ではそれほど目立ちませんが、iPad Proと比較すると、2倍、もしくは3倍はあろうかという幅広さで、時代の流れを感じさせます。見た目が古く感じてしまう、最大の要因と言っていいかもしれません。
一方で、現行モデルにはない利点もあります。それは画面の回転を物理的なスイッチで制御できることです。iPadの薄型化に伴ってこの機能は省かれ、現在はOS上で切り替える方式に改められていますが、初代モデルを使うとその使いやすさをあらためて実感します。