韓国メディアの世論調査で「日本が好き」「日本が嫌い」はどちらも2割、「どちらでもない」が6割。それなのになぜ反日は止まらず日韓関係はここまでこじれてしまったのか。『韓国を支配する「空気」の研究』より「日本製品不買運動の内実」を紹介します。

「日本製品不買運動」を韓国の人はどう考えているのか

 2019年8月半ば、私はうだるような暑さのソウルを訪ねた。8月15日に行われる、日本支配からの解放を祝う「光復節」が間近に迫っていた。ここ数十年で最悪と言われる日韓関係だが、韓国の市井の人々が何を考えているのか知りたかった。

 ソウル中心部の光化門付近を歩いた。日本でも大きく報道された、「日本製品不買運動」の様子を知るためだ。日本政府はこの年の7月、韓国向けの半導体素材3品目の輸出管理規制措置の強化を発表した。韓国与党や進歩(革新)系メディアが「安倍政権が韓国経済をメチャクチャにしようとしている」と主張し、不買運動に火がついた。

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人気だった日本製ビールの輸入額が4割以上も急減

 韓国メディアによれば、日本製ビールの輸入額は6月の約800万ドル(約8億5000万円)から、7月は430万ドルに4割以上も急減したという(その後、11月に再訪した時には、日本製ビールはほとんど姿を消していた)。実際の雰囲気はどうなのだろうか。

 日本製ビールは韓国の人のなかでも人気が高い。韓国の代表的なビールは、ハイト、カス、OBだが、いずれも薄味でコクがない。韓国の知人に言わせると、「麦芽の比率に問題がある」という。日本では麦芽比率が50%以上であることなどがビールの条件だが、韓国ではこの条件を満たしていないケースが多いという。知人に言わせれば「大企業の独占だったから、なるべく安く仕上げたというわけさ」ということだそうだ。