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日経のシビアすぎる「殿様商売」という分析

 朝日新聞は夕刊1面の短行コラム「素粒子」(6月2日)で取りあげた。

《エリトリア写真展で国旗を描いたチロルチョコを頂く。小まめな努力。それにつけても残念な「おやつはカール」。》

 朝日も「それにつけてもおやつはカール」と、CMフレーズをもじってきた。

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「読売」も「朝日」も一面のコラムを担当する「大御所おじさん」がネタにしたカール。実は、ここにこそ今回の「カールショック」の鍵があるのだ。この記事を見てみよう。

「明治『カール』殿様商売のツケ 明治のスナック菓子、東日本で販売終了 長寿ブランドにも淘汰の波」(日本経済新聞・6月2日)

カールショックを伝える各紙

「日経」の記事である。殿様商売のツケとはさすがビジネスに関してはシビアな「日経」のご指摘。

 キーワードは「若者がそっぽ」。

《「それにつけても……って何ですか」。東京都稲城市の女子大生(19)は、カールのテレビCMで有名なフレーズ「それにつけてもおやつはカール」を知らない。最後にカールを食べたのは小学生のとき。近所で買えなくなっても「どうせ食べないし別にいいかな」と気にしない。》

 ああ、シビアすぎる現状分析。もうやめてあげて。

「カール」にどう反応するかで、その人の世代が分かる

 そう、今の若者は新聞の大御所コラムがこぞって懐かしむ「三橋美智也が歌うカールの歌」を知らないのだ。

 トドメを刺すように「カールが東日本の店頭から消える理由は、10~20代の若者からそっぽを向かれたことが大きい。」と書く。

《スナックやチョコレートなどの菓子市場は10~20代の若者が支える。ある菓子メーカーは「明治はカールを売り込む努力を怠っていた」と指摘する。カールのテレビCMを2014年に事実上終了する一方で、ツイッターといった若者の利用が多いSNSでの宣伝をしてこなかった。》

あまりのショックに店頭からカールが消える店も

「日経」が言うカールの殿様商売とは、若者など新しい顧客の開拓を怠ったこと。「他の菓子メーカーはカールと一線を画し、長寿ブランドでも若者層の需要開拓に余念がない」と指摘する。

 その結果カールはシェアを落とし続け、

《「気がつくとコンビニの店頭から消えていった」(コンビニ大手)。今年に入って、セブン―イレブン・ジャパンやローソンはカールを販売していない。》

 という状態になっていたのだ。

 若者はカールを知らない。かと言ってカールの思い出を語る「おじさん」は懐かしむことはあっても今わざわざ買うことはない。カールはこうして低迷していったのだ。

 こう考えてみると、ツイッターでは「カールショック」は国民的な話題のように見えたが、騒いでいるのは「中年以上」とも推定できる。私がこうして興味を持って読み比べをしたのも、おじさんだからだろう。それにつけても「カールおじさん」。

 カールについてどう反応するかでだいたい世代がわかるのである。

手を振るカールおじさん