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2020/01/27

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

「辞めてカタギに」激減する暴力団員

 警察庁の記録によると、1963(昭和38)年には全国の暴力団構成員は約10万2600人が確認されていた。準構成員などの周辺者は約8万1500人。合わせると約18万人に上っていた。

 しかし、その後の相次ぐ取り締まりなどで暴力団構成員は減少し、60年代後半には8万人台。70年代には5万人台へと減少。昭和の終わりの1980年代後半にはバブル景気の恩恵もあり、6万人台へと増加したが、平成に入ると1992年に暴対法が施行された影響で6万人を切った。全国で暴排条例が施行された2011年は約3万2700人だったが、最新データとなる2018年は約1万5600人にまで減少している。

 巨大組織、山口組も例外ではない。分裂前年の2014年には山口組だけで約1万300人とされたが、翌15年には山口組は約6000人、神戸山口組が約2800人で、双方合わせた元々の山口組系と捉えると約8800人となり1万人を割った。

 山口組は16年には5200人、17年4700人、最新データの18年は4400人。同年の神戸山口組は1700人となっている。分裂による減少を差し引いても全体数が縮小しているのは間違いない。山口組幹部は、「辞めてカタギになった者も非常に多い」と実情を話す。

「カジノはシノギになる」

 ともあれ、山口組にとって2019年は10月に高山出所という“慶事”があり、年末を迎えた。ところが、2020年は新たな試練が待ち構えている。

 警察当局は、ある山口組最高幹部について詐欺容疑の逮捕に向けて着々と捜査を進めているのだ。その詐欺事件に関与していた山口組系の組員数人をすでに逮捕しており、中には巨額資金を管理している幹部もいて、カネの流れを追っているという。

 複数の警察庁幹部は、「分裂により多くの情報が漏れてくる。ひとつずつ地道に捜査して、最高幹部クラスを摘発して弱体化、さらには資金源を遮断して壊滅へと取り締まりを強化したい。分裂は警察にとってチャンスだ」と語気を強めた。

5代目山口組時代に若頭を務めた宅見勝 ©時事通信社

 しかし、それでも世の中の動きの先を読んで様々なシノギを見つけ出すのが暴力団、中でも経済ヤクザと称される人物たちだ。

 5代目山口組時代に若頭を務め、武闘派とともに経済ヤクザとしても知られた宅見勝は、「日経新聞を読んでいれば、シノギのヒントが見つかる」と常々、周囲に語っていたという。

 今後の大きな経済の動きとしては、オリンピックによる景気浮揚、その先は数年後のカジノが挙げられよう。2020年1月7日には政府にカジノ管理委員会が設立され、検察OBや元警視総監らが就任した。

 ある山口組幹部は、「反社会的勢力を徹底的に排除するという触れ込みで数年後にはカジノが始まる。しかし、カジノにはいくらでもシノギが転がっている。カジノはシノギになる」と不敵な笑みを見せた。

(敬称略)

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