ここ最近、宅配業界のニュースが多い。キーワードは「人手不足」だ。
「佐川が週休3日制 運転手確保、兼業も容認」(日本経済新聞・6月6日)
佐川急便は正社員のトラック運転手に週休3日制を導入するという。給与水準は週休2日制の場合と同程度。それというのも「深刻な人手不足の解消につなげる」ため。
一方のヤマト運輸は先月下旬に全面広告で、
「10月1日。宅急便の値上げをいたします。ご理解とご協力を、お願いいたします。」
とお知らせをした(朝日新聞・5月22日)。
理由のひとつとして「配送業務の現場はかつてない厳しい状況にあり、日本全体の人手不足によって労働力の確保も困難です」。やはり人手不足が深刻な問題なのである。
ちなみにヤマト運輸がこの広告を出した同時期には、
「宮崎駿監督『引退撤回』公表」(朝日新聞・5月20日)という話題もあった。
記事の最後は新作の長編アニメーション映画の制作に向けて、
《動画や背景美術の契約スタッフの募集も始めた。期間は3年間としている。》
宮崎駿監督の名作「魔女の宅急便」も"宅配業界モノ"と考えれば、こちらも人材募集が大事なポイントのようである。
再配達を49%から8%に激減させた「宅配ボックス」実験
次の記事は荷物の受け取り側、つまり私たちの意識も今後は変わりそうな話。
「パナソニック 宅配ボックス、効果大 再配達49→8% 福井で実験」(毎日新聞・6月9日 大阪朝刊)
《パナソニックは8日、住人が不在でも宅配物を収容できる宅配ボックスを一戸建て住宅約100棟に設ける実証実験の結果、設置前は49%だった再配達の割合が8%に減ったと発表した。インターネット通販の普及で宅配物が急増する中、社会問題となっている配達員の負担増を緩和するために一役買いそうだ。》
この宅配ボックスの実験に関しては産経ニュース(関西)も4月に報じている。
「売れまくる『宅配ボックス』 再配達49%→8%…必然のブームかバブルか」(4月14日)
実はパナソニックは4月に宅配ボックスの新製品を発売する予定だった。しかし今年に入って急に宅配ボックスへの注目が高まり、従来モデルの生産を優先することにして新製品の発売は延期となったのだ。(※昨年度の販売台数は月平均で400~500台だったが、今年は3月だけで2000台以上の注文があった)
《大手住宅メーカーのミサワホームも4月から宅配ボックスの新製品の販売を始めた。(略)大和ハウス工業と日本郵便、ポストメーカーのナスタの3社も2月に宅配ボックス普及に向けた取り組みを開始。》
記事の締めは『急激な需要拡大にわく業界からは、「バブルになるかもしれない」(関係者)との声も出始めている。』
バブルという言葉、久しぶりに目にした気がする。