2.SMAPは中国で人気がない
加えてそもそも、日本での知名度や過去の業績というフィルターを取り去ったSMAPが、客観的に見て海外市場で人気を集められるほどの突出した魅力を持つ存在と言えるのかという問題もある。中国にも熱心なジャニーズファンはいるが、彼らが重視するのは1に若々しくて端正な美貌で、2に楽曲のキャッチーさ、言葉の壁も関係して近年のSMAPの売りであるトークや演技はそこまで評価しない。日本国内ではプレミア感がある元SMAPのメンバーも、多くの中国人から見れば「むかし美少年だった40代のおじさん」でしかないと言えば言い過ぎだろうか。
事実、現在の中国のネット上におけるSMAPの人気度はジャニーズの後輩たちに負け、韓流スターたちとはすでに勝負にもなっていない。その事実は、中国の大手掲示板・バイドゥBBSにおける、それぞれのファンコミュニティのフォロワー数を比較するだけでも明らかだ。
<グループ>
SMAP …… 1万689人
Kis-My-Ft2 …… 1万6886人
Hey! Say! JUMP …… 3万614人
嵐 …… 27万292人
【参考】東方神起(韓流) …… 104万3652人
【参考】SUPER JUNIOR(韓流) …… 132万9544人
<個人>
木村拓哉 …… 25万2517人
中居正広 …… 3463人
稲垣吾郎 …… 1406人
草なぎ剛 …… 982人
香取慎吾 …… 1768人
【参考】蒼井そら(AV女優) …… 42万6285人
【参考】チャン・グンソク(韓流) …… 156万6710人
ほか、中国最大の検索エンジン・バイドゥにおける検索度合い(ネット上での注目度)を示す「バイドゥ指数」の2011年以来のデータを見ても、やはりお寒い状況は変わらない。
SMAPの最大指数が9300点で平常時の平均が1000点前後なのと比べ、例えば韓流のSUPER JUNIORは最大2万4900点で平均5000~1万点ほど、チャン・グンソクは最大18万9400点で平均が1万点程度と、大きく水を開けられているのである。
むしろ、2011年のSMAP北京ライブで3万人を動員したのは、彼らの現代中国における知名度からすればかなり健闘した結果だったとすら言えるだろう(もっとも、会場である北京工人体育場の最大収容人数は7万人なのだが)。
往年の人気がまだ残る木村拓哉がピンでやるならばともかく、稲垣・草なぎ・香取の3人だけで中国進出というのは、よほどの強力な中国ナイズを徹底させる(3人揃って北京の下町言葉がペラペラになるなど)か、極端に話題性のある行動(南京事件の悪玉日本軍将校役を徹底して演じ切るとか?)でもしない限り、相当に前途多難であることは想像に難くない。