知識人の手首は何回転しているのかというレベル
確かに「権力闘争とはそういうものだ」と言われればそれまでなんですよ。森友学園にしても、前にも文春オンラインで書きましたようにそもそもは「極右的な愛国教育を施している森友学園に首相夫人の安倍昭恵女史が加担しているとかけしからん、土地も安値で払い下げられているし、どういうことなんだ」と朝日新聞が問題提起をして、広がった事案です。
ところが、森友学園の籠池夫妻がその見た目や物言いの面白さでキャラが立ちすぎてました。見てて楽しいんだからしょうがないだろ。メディアで面白がられ、さんざんネタを引っ張られた挙句に、いわゆる「面倒くさい客」扱いで安倍晋三首相から「迷惑だ」とか言われて切られてしまうわけです。逆上する籠池泰典さん。ここでめでたく籠池さんは反安倍の旗手として狼煙を上げ、実態すらどうだか分からない寄付金100万円を安倍昭恵女史に返しに行く、でも明らかに白紙を挟んだ2万円でしかないみたいな三文芝居をやらかしても、今度はメディアが籠池さんを英雄扱いしてテレビで好意的に報じるわけですね。
また、今回の加計学園の件にしても、それまでは文部科学省の大学その他への天下り問題でその官僚の既得権益の権化とも言えた前川喜平さんをあれだけ正面から叩き続けてきた左派メディアが、いざ前川さんが安倍政権を批判し始めると前川さんは人格者だったとか言い始めるわけです。もはや、なんJ民なみの手のひら返しで手首は何回転しているのかというレベルであります。
この辺になってくると、いわゆる左派系知識人も右派も原理原則とかあんまり関係なく、状況によって、都度都度流れてくる情報に翻弄され、柳のように擁護したり批判したり揺れ動くことになります。手のひらが返りすぎだ。ちょっと前まで文科省の天下りをあれだけ批判して前川さんの更迭を要望してきた知識人が、いつの間にか政権の横暴に抗う聖人君子のようなサラブレッド高級官僚であるとして崇める発言をするとか、健忘症にもほどがあるだろうと思うわけです。