2017年夏、甲子園優勝を果たした花咲徳栄高校の主将が、強盗致傷事件を起こして千葉県警に逮捕されていた。千丸(ちまる)剛被告(20)、無職。栄冠をつかんだ高校球児に、2年半の間に何があったのか。

夏の全国高校野球選手権大会の閉会式で、優勝旗を受け取る花咲徳栄の主将だった千丸(甲子園、2017年08月23日)©時事通信社

バールで殴られ頭蓋骨を骨折する大けが

 昨年4月26日午後9時40分ごろ、千葉県八街(やちまた)市の店舗を兼ねた住宅のインターホンが鳴った。インターホン越しに「車をぶつけてしまいました」と男の声がしたので、この家に住む男性(60)が外へ出ようとドアを開けると、複数の男が家へ押し入り、男性と妻(58)を襲った。

 男性は頭をバールで殴られて頭蓋骨を骨折する大けがを負い、妻の顔には刃物でつけられた傷ができた。妻が大声で助けを求めたため、男らはバールや刃物を室内に残したまま、何もとらずに逃走した。

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 妻から110番通報を受けた千葉県警佐倉署は、強盗致傷事件とみて捜査を開始。強盗事件の直前には、八街市で止めてあった車の前後のナンバープレート2枚を盗み、犯行に使った車につけていたことが判明。約8カ月の捜査ののち、12月3日に男2人、今年1月8日に千丸被告ら男3人を逮捕した。5人の中には知人同士の者もいたが、互いに面識のない者もいたという。県警は、それぞれの役割分担や、他の共犯者の有無を調べている。