オスカー予想を始めた意外な理由
――そんななかでアカデミー賞に出会って魅せられてしまったと。
Ms.メラニー 初めて見たのが、『レインマン』が作品賞を獲った1988年度の第61回授賞式でした。春休みに海外へ旅行していて、たまたまテレビをつけたら放送していたんです。「ああ、これがアカデミー賞かぁ」って思って見ていたら、ジョディ・フォスターが『告発の行方』で主演女優賞を受賞する場面が出てきたりして。ものすごく華やかな雰囲気にすっかり飲み込まれて、「ああ、なんて楽しいんだろう」って夢中になりましたね。その授賞式の写真が翌月映画誌に載っていて、「あ、こないだ見たやつだ」って夢中になって眺めていました。
そうこうしていたら、次の1989年度第62回授賞式が民放で深夜に放送されると知って。ビデオに録画して、もう何度も繰り返して見ましたね。CMも入っていたし、吹き替えだったけど、ぜんぜん気にならなかった。それから毎年欠かさずに授賞式を見続けて、現在に至るって感じです。
――オスカー予想を始めて今年で20年目なんですよね。そもそも、何かきっかけはありましたか?
Ms.メラニー オスカー予想を始めたのは、たまたまです。映画業界の友人ローリー(仮名)と知り合い、一緒に授賞式を見ることになった最初の回で、「自分の友人はみな予想をするから、君も自分の予想を提出するように」と言われ、全部門を予想するという難行に挑みました。いわば宿題として始めたら、面白さに気付いてその教科が好きになった、というような感じです。
ジェーン・スーさんのラジオ「駄話コーナー」に出演
――なるほど。あくまで趣味、あくまで個人的なライフワークだったアカデミー賞の受賞予想が、高校時代のご友人であったジェーン・スーさんによって脚光を浴びることになったわけですが。
Ms.メラニー TBSラジオに出るようになる2、3年くらい前から、彼女は原宿のミニFMで『ORDINARY FRIDAY~つまりシケた金曜日~』という番組をやっていたんです。その番組に自分の友だちを招いてたわいのない話をする「駄話コーナー」というのがあって、オスカー授賞式の時期に“毎年授賞式を見て、狂ったように語る人”として紹介されて出演したのが最初。私がオスカーのシーズンになるとひとりでずーっとああでもないこうでもないと喋っているのを見て、彼女は「よくこんなことに夢中になれるな」と面白く思っていたようで、「番組で話をしてよ」って呼ばれたんです。
「こんなこと話しても誰も興味を持ってくれないでしょ」と言いつつも出てみたら、『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(現『アフター6ジャンクション』)の放送作家である古川耕さんも面白がってくれて、2017年2月にそちらへも出ることになったという。