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春日太一とジェーン・スーが語る「デートにふさわしい映画」と「東京のもてない街」

春日太一 ×ジェーン・スー『泥沼スクリーン』対談

 映画史研究家の春日太一さんが、読者に「息苦しすぎる」とまでつぶやかれた著書『泥沼スクリーン』をめぐって、同世代のジェーン・スーさんと対談しました。話はあっという間に脱線し、デートにふさわしい映画とは? もてない「街」はどこ? など語りあうふたりですが……女子校育ちのスーさんと男子校育ちの春日さんの噛み合わないあれこれと、噛み合うあれこれをどうぞ!

※この対談は2019年1月29日に代官山蔦屋書店で行われました。

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メールでちょいちょいやりとりしてる2人

春日 春日太一です。

スー ジェーン・スーです。よろしくお願いします。

春日 こういうかたちでスーさんと人前でお話しするというのは初めてですね。この組み合わせというのは意外に思われた方もいるかもしれませんが、実は知り合いではありました。表立っての接点はなかったのですが、TBSラジオの番組やイベントですれ違うことがあって、ご挨拶はしていて。

スー 初めてちゃんとお話したのは、女性誌「CREA」での対談でした。3年前くらいですね。けっこう長くしゃべりましたよね。3時間くらい?

春日 そのあと個人的にもお会いしたり、人生相談のってもらったりして。そのあともメールでちょいちょいやりとりして今日に至るという。
 さて、今回「週刊文春」で連載している日本映画に関するコラムをまとめた『泥沼スクリーン』という本を出しまして。連載では普通に映画の解説やったり、亡くなった方の追悼記事を書いてるんですが、本にするとき、そういうのをことごとく削って、青春時代の暗黒とか、性癖だったり私生活を吐露してる記事を中心に並べたんです。それで、発売後ツイートでエゴサーチした「読んでて息苦しすぎる」という読者の意見があって変に納得したのですが、スーさんはいかが思われました?

春日太一さん ©平松市聖/文藝春秋

自分の内臓の裏側まで見せてる本

スー 以前、自著の『生きるとか死ぬとか父親とか』を春日さんにお送りしたら連絡をいただいて「よくここまでご家族のことを書きましたね、よく向き合って書かれましたね」と言っていただいたんですけど……『泥沼スクリーン』を拝読して、「貴様もな!」と思いました。私の比じゃなくない? って。

春日 え、そうですか?

スー これまでの春日さんの著作は、意識的に自分語りをしていらっしゃらないように感じるものばかりでした。第三者として、いかに虚実含めた映画のリアルを追求するかがテーマなんだろうと思ってて。でもこの本では、完全に自分の内臓の裏側まで見せていらっしゃる。連載の中から特に濃い出汁だけ引いてきたというか。今に至るまでに、かなりハードコアな青春時代があったんだなと。

春日 自分でも読み直してみて、もうちょっとバランスとってまとめてもよかったかなっていうのを思ったり……。