さまざまなフレーミングのテクニック
ポジティブに言うかネガティブに言うかという差もあります。たとえば、あるプロジェクトの成功確率が40%程度と試算されたとします。そこで「イチローの打率よりはるかに高いじゃないか」と言えば、何となく行けそうな空気を感じられますが、「失敗する確率の方が1.5倍も高いのか」と言われれば、今度は成功しにくく感じるものです。
ここに紹介した以外にも、立場を変えたり(例:顧客の立場から表現する)、数字の単位を変える、あるいは比較するものを変える(例:株の損失を年収と比較するのではなく、生涯賃金や総資産と比較する)など、フレーミングのテクニックにはさまざまなものがあります。それをどう使いこなせるかが、他人を動かす力にも関係してくるのです。
フレーミングの定義:本質的には同じ事柄であっても、枠付け(見せ方)の差によって違う印象を持ってしまう効果
クイズに挑戦!
あなたはこの心理バイアスを見破れますか? 「ビジネス思い込み度」チェック5問
他にもさまざまな「心理バイアス」が……
【イケア効果】なぜ人は論理的に判断ができないのか
【生存バイアス】なぜ「デキる人」の言うことを聞いてしまうのか
【アンカリング】数字は先入観にこびりつく
【リンダ問題】確率は直感に反する
【授かり効果】人は失うことを過剰に嫌う
【ギャンブラーの誤謬】なぜ人は根拠のない勘で判断をしてしまうのか
【直線本能】人は「明日も昨日と同じ」と信じてしまう
【計画バイアス】とにかく人は楽観的に考えてしまう
他、全部で101の「心理バイアス」は 『MBA 心理戦術101 なぜ「できる人」の言うことを聞いてしまうのか』をご覧ください。