「谷垣氏を待つ人々」というコラムがあった(読売新聞・7月4日)。
昨年7月のサイクリング中の事故で入院中の自民党の谷垣禎一前幹事長。今もリハビリに励み復帰を目指している。記事の締めは、
《1強の手綱を引き締める谷垣氏のような存在が、今の自民党には必要だ。》
“ハト派”谷垣禎一からの、“昭和の寝業師”二階俊博
いわゆるハト派の谷垣氏を幹事長にすることでバランスを保ってきた安倍体制。しかし、ちょうど1年前、あの自転車事故が起きたのだった。谷垣氏の存在感を示す記事がこちら。
《党内では、後任幹事長として、岸田文雄外相や細田氏の名が取りざたされている。一方、政権内にはなお、谷垣氏の続投を望む声もある。(略)リベラル色が強い谷垣グループを率い、総裁経験者でもある谷垣幹事長の存在が政権の安定につながっているとの見方は多い。別の官邸幹部は「谷垣氏は代えがたい」と話す。》(2016年7月29日・朝日新聞デジタル)
安定を保っていた柱のひとつが突然消えた。後任を誰にするか、けっこうな問題だ。人事次第では潮目が変わる。
そして、選ばれたのは二階俊博氏だった。
「二階幹事長党内抑え役 『実力者』起用に警戒感」(毎日新聞・2016年8月2日)
《二階氏は1993年に自民党を離党し、新進党、自由党などを経て03年に復党した。財政再建派の谷垣氏とは対照的に、公共事業を重視する国土強靱(きょうじん)化を主張し、財政出動に積極的だ。このため、政府筋からは「二階氏の起用は劇薬になり得る」と懸念する見方がある。》
「国土強靱化=建設業界に強い」という二階氏のキャリアは言ってみれば「昭和の寝業師」タイプ。古い政治家の匂い。