*以下の記事では、NHK連続テレビ小説「スカーレット」の詳しい内容について述べられていますのでご注意ください。
「僕にとって喜美子は女や。陶芸家やない。これまでも、これからも」
「スカーレット」104話(2月4日放送)。八郎が放った言葉に、思わず「やばいな」と声が出てしまった。
朝ドラかつ同業者夫婦で思い出す杏・東出夫妻
現在放送中の連続テレビ小説「スカーレット」は、不屈の女性、川原喜美子(戸田恵梨香)が陶芸家になるまでの道のりを描くと同時に、同じく陶芸家の夫・八郎(松下洸平)との「同業者夫婦」の物語でもある。朝ドラかつ同業者夫婦というと、今ならば「ごちそうさん」で共演した杏・東出昌大夫妻を思い出す方も多いかもしれない。
そしてライターの同業夫婦である私たちも毎朝、味噌汁をすすりながら見る「スカーレット」でヒヤッとしている。
話をもとに戻すと、冒頭のように八郎が吐露するに至った経緯はこうだ。
どうしても表現したい陶器の色がある喜美子は、金と手間のかかる「穴窯」方式で作品を生み出そうとしていた。
「僕にとって喜美子は女や。これまでも、これからも」
一方、八郎は家計を圧迫するほど穴窯に入れ込む彼女に納得できない。そのうえ喜美子は穴窯を2週間、1150度で焚き続ける危険な作陶に入ろうとしていた。
強行すれば、巨費を投じた窯が崩れ落ちる可能性もあるばかりか、家に火が燃え移り、火事になってしまうかもしれない。そんな危険を冒そうとする喜美子に対し、堪忍袋の緒が切れたとばかりに、八郎が吐き出した。
「前に言うたな。同じ陶芸家やのになんで気持ちわからへんのって。僕にとって喜美子は女や。陶芸家やない。ずっと男と女やった。これまでも、これからも。危ないことせんといてほしい」
家族を守り、夫婦として10年以上経った今も自分を女としてみてくれる男らしい夫……の言葉とはもちろん、思えなかった。