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残留した「若手エース」は沢尻エリカ被告の弁護人も
同じ弁護団の中でも、弘中氏のように囲み取材に応じることなく、ブログで一方的な発信しかしてこなかった高野氏だが、最近になって朝日新聞の単独取材に応じた。2月5日付朝刊紙面では、ゴーン元会長への監督責任について明言しないまま、「依頼人の自由を確保し、無実だという人が無罪を主張できるよう努力するのが弁護士の仕事だ」と述べている。
一方、ゴーン元会長の主任弁護人として残留した「若手エース」の河津博史氏は今回の逃亡劇について多くを発信することなく、元女優の沢尻エリカ被告の弁護人を務めるなど他の仕事も忙しそうだ。
2月6日、日弁連は弘中氏の事務所への捜索に抗議する会長談話の「英訳版」を作成したと公表した。検察による弁護人への捜索が正当化されれば、今後の全弁護士業務に大きな影響を及ぼしかねないとの危機感の表れだろう。そのためには、海外から批判の声を上げてもらい、日本の弁護人の地位を向上させたいとの意図も垣間見える。
ゴーン元会長が日本に戻ってくる見込みは全くない中、日本の法曹界が内輪もめをしているようにも見える現在の構図は、どこかむなしさもある。元会長の共犯とされたグレッグ・ケリー元代表取締役と法人としての日産を被告とする公判に向けた準備だけが徐々に進んでいる事実は、一般的にはほとんど注目されていない。迷走を続けるゴーンショック。主なき事件は、どこへ向かうのだろうか。