いまから30年前のきょう、1987年7月18日午後9時から翌19日にかけての24時間、フジテレビ系列24局(当時)の共同制作による『FNSスーパースペシャル 一億人のテレビ夢列島』が放送された。総合司会には、このころフジテレビの看板番組『笑っていいとも!』でのフリートークが人気を集めていたタモリと明石家さんまを起用。両者をメインに据えることで、日本テレビ系の24時間のチャリティー番組『愛は地球を救う』に対してバラエティ色を強く打ち出した。
当日の新聞の番組表には「ビートたけしが出ると面白い深夜のトーク」と、たけしの飛び入り出演がほのめかされていた。ちょうどたけしは、前年12月の写真週刊誌『フライデー』編集部への乱入事件のあと、約半年間の自粛期間を経て、活動を再開したばかりだった。はたして深夜の生放送中、たけしはタモリとさんまに迎えられながら登場、カメラに向かい手を振って「最近、カメラマンと親しいから」と軽くジャブをかますと、自粛中の体験談を中心にトークを繰り広げた。
『一億人のテレビ夢列島』は平均19.9%という予想外の高視聴率を記録したことから、翌年以降も、フジテレビ系列の24時間テレビは夏の特番として定番化した。タモリ・たけし・さんまの「お笑いBIG3」の企画も恒例となり、たけしがさんまの愛車をゴルフクラブで破壊して笑いを誘う名場面も生まれる。その後、1997年からは放送枠が27時間でほぼ固定された。『一億人のテレビ夢列島』から30周年を迎える今年は、ビートたけしと村上信五(関ジャニ∞)を総合司会に、9月に放送が予定されている。