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2020/02/12

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

任侠山口組「絆會」への名称変更のウラ事情

 ただ、神戸山口組以上の劣勢に立たされているのが、神戸山口組からさらに分裂した任侠山口組ということに異論はないだろう。劣勢というよりも、抗争から「一抜けした」という表現の方が正しいかもしれない。

〈昨今、世間様をお騒がせしております抗争事件の情勢を鑑みまして、これ以上、一般市民皆様への巻き添え等、日常生活への不安を煽る訳にはいかず、少しでも解消すべく、新たなる道を歩む決断を致しました〉

 そんな文言から始まる通達が暴力団関係者の界隈に回ったのは1月12日。通達はさらに続いた。

〈先ずは山口組の再統合と大改革を目指して参りました。しかしながら、この数ヵ月間の情勢を鑑み、現状では極めて困難で有ると判断致し、親分はじめ組員一同協議の結果、代紋及び組織名を【絆會】と改め、新たなる出発をする事と致しました〉

「絆會」通達

 組織名から「山口組」を外し、組長の織田絆誠から一字を取った「絆會(きずなかい)」に名称を変更したのだ。組織の象徴である代紋も菱形と「山」の漢字を合わせた「山菱」の代紋を取り下げ、鎖を丸くかたどったなかに「絆」の一文字を入れたものに変えた。

 しかも、暴力団関係者は「絆会の代紋は当初、丸ではなく菱形で囲む案もあったが、『山菱』に似ることから、六代目山口組の反発を恐れて丸に落ち着いたようだ」と話す。

 別の捜査関係者は「ヤクザの世界で代紋は絶対。同じ代紋と山口組という同じ名前を掲げる限り抗争は終わらない。代紋を下ろして初めて抗争の終結といえる」と指摘するが、その意味で、絆會は抗争から脱落したといえるわけだ。