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 ラベルには、他にも次のような記述があった。

「この製品に添加されたビタミンB1とω(オメガ)3脂肪酸は大脳発育推進、記憶力増加、脳の疲労回復作用があり、日常的に飲むと頭が良くなり、成長発育に効果があります」

栄養素がたっぷりはいったヨーグルト飲料(筆者撮影)

「頭が良くなる」というくだりなどは誇大広告もいいところだが、北朝鮮の人たちにも、日本の健康食品でおなじみの「オメガ3脂肪酸」が意識されているとは驚きだった。さらにラベルの「主原料」を読むと「イチゴ汁、牛乳粉、砂糖、レモン酸、生物カルシウム、ビタミンB1、D、E、DHA、EPA、乳酸菌」とあり、やはり日本のサプリのテレビCMもびっくりの栄養素がたっぷりと配合されていた。

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 メーカーは5・1工場以外に、「ラクヨン貿易会社」(平壌市)、「高麗南江貿易会社」(同)といった名前が確認できた。

 会社名も丹念に調べていく。すると、「桑の実ヨーグルト」(2リットル入り)を製造していた「高麗南江貿易会社」は2020年1月、米財務省が中国に北朝鮮の労働者を派遣する窓口になっているとして制裁を加えた北朝鮮企業だった。

 海外への人材派遣を手掛ける企業がヨーグルト飲料まで製造していたとは、現地でのヨーグルト飲料の商機は相当なもののようだ。

昨年1月のO島。海岸には焼酎のペットボトルが多かった(筆者撮影)

盛んな「乳酸菌飲料」開発

 今回の採取したボトルの多くの飲料に「乳酸菌」が含まれていた。乳酸菌入りの製品だけではなく、袋入りでストローをさして飲む栄養「牛乳」2枚、カップ状の栄養牛乳1個、ヨーグルトのカップ1個も見つかった。

 そこで「乳酸菌」をキーワードに北朝鮮の対外情報サイトを片っ端から検索してみた。

 すると、韓国向け宣伝情報サイト「統一のこだま」に「健康に良い様々な乳酸菌入り製品の開発」という気になるニュースが掲載されていた。

「飲料用高麗人参乳酸菌複合栄養粉は、世界的に有名な開城高麗人参と補薬として広く使われている様々な粒を発酵させて作った複合乳酸菌が配合された製品で、体力を保ち、精力を高め、病気への抵抗力を高める機能性健康食品である」

ゴミに紛れる北朝鮮のヨーグルト飲料(筆者撮影)