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テレワークに約9割が賛成 それでも1割は「在宅勤務」に反対する理由とは――アンケート結果発表

「マスク・手洗い・根性」を掲げる企業も

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賛成多数のテレワークは「どれだけ導入されているの?」

 では、ここまでの意見を踏まえつつ、現在テレワークを実施している企業はどれくらいあるのだろうか。合わせて、「あなたの会社では在宅勤務は採用されていますか?」という質問の結果を見てみよう。

 こちらは「在宅勤務が採用されていない(77.2%)」が「在宅勤務が採用されている(22.8%)」を大きく上回る結果となった。「在宅勤務・テレワークに賛成」(89.1%)・「在宅勤務・テレワークに反対」(10.9%)という結果があっただけに、驚く人も多いのではないだろうか。賛成多数の意見があるなか、在宅勤務制度がなかなか進んでいない現状があるようだ。

 

 しかし一方で、ビデオ会議などのシステムやソフトウェアを提供する「ZOOM」の株価が大きく上昇している。担当者に現状について問い合わせてみると、「昨今の『働き方改革』、『テレワーク』等の推進による流れから、弊社に皆様から多くのお問い合わせやご要望をいただいております」と話す。学校や教育の場をはじめ企業からも問い合わせがあるという。

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 前出の城繁幸さんも、日本の大企業がここまで「在宅勤務」へ積極的に移行することは予想していなかったという。

「働く側からすれば、できれば通勤に時間をかけたくないし、そもそも大半の仕事は家でもできるわけです。一方、企業の側には別の論理があります。

 日本の職能給という賃金制度は、職務範囲を明確にしないで、その都度上司が仕事を割り振っていくスタイルです。そうなると、みんなが同じ時間に同じ場所にそろって、実際の働きぶりを管理職が目で確認しないといけない。これが、フレックスや在宅勤務、あるいは目標管理制度といった欧米発のワークスタイルが日本企業で実現しなかった理由でした。

港区にある電通本社ビル ©iStock.com

 今回、当初はGMOインターネットやドワンゴのような新興企業がテレワークに切り替えたので、『事前に準備していたプランを実行に移したのだろう』と感じましたが、NTT、電通、NECや三菱系の大企業まで在宅勤務に踏み切りました。ここまでの動きは予想していなかったです」

 ここで、さらにアンケートの「あなたの会社でしている『新型コロナウイルス対策』を教えて下さい」という質問を振り返っていこう。