新型コロナウイルスへの警戒が強まっています。
政府は、全国すべての小学校、中学校、高校、特別支援学校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請。それに先駆けて、企業に向けては、在宅で勤務ができる「テレワーク」を推進すると表明していました。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、政府が相次いで対策を発表するなか、企業もまたその対策と政府の決定への対応を迫られています。
大手広告代理店「電通」は、東京本社ビルに勤務する50代の男性従業員が新型コロナウイルスに感染していたことを受け、2月26日より本社ビルに勤務するすべての従業員の約5000人を対象に、原則として在宅勤務に切り替えることを発表。同様に、大手化粧品会社・資生堂も国内グループ従業員約8000人を対象に、在宅勤務を基本とすることを発表しています。
一方で、この新型コロナウイルスへの対応をきっかけに、新しい働き方へ移行するチャンスと見ている企業もあると言います。
そこで『文春オンライン』では、「<緊急アンケート>あなたの会社の『新型コロナウイルス対策』とは」を実施。3日間で投票総数389票、20代から70代の幅広い年代の方にご回答いただきました。
まずはアンケート結果を見ていきましょう。
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新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、政府が推進を発表した「テレワーク」。1月下旬にいち早く在宅勤務へ切り替える対策を講じていたGMOインターネットに賞賛の声が上がっていた。
アンケートでも、「在宅勤務・テレワークに賛成」(89.1%)が「在宅勤務・テレワークに反対」(10.9%)を大きく上回る結果に。
では、「在宅勤務・テレワークに賛成」(89.1%)を選んだ人の具体的な意見を見ていこう。
新たな働き方の選択肢が増えるきっかけに
【「在宅勤務・テレワークに賛成」(89.1%)】
感染防止にあたっては、「通勤時間が最も危ない」という声が一番多かった。
「何より通勤の公共交通機関での感染が心配だし、感染していても無症状の人もいるから」(47・男性)
「企業側が積極的に対策しないと対策しなかった場合より人的・経済的被害が甚大なものになる」(28・男性)
「今、電車が少しずつすいてきていて、一番不安だった電車内の感染が少し安心できるなと感じています。テレワークができる企業はやったほうがいいと思う」(31・女性)
また、今回をきっかけに新たな働き方の選択肢が増える、という声もあった。
「もともと朝のラッシュ緩和のためにも随分前から言われていた。その頃に比して、テレワークのための環境も整ってきている。社会的に新しい働き方として認知が進むきっかけになりそう」(60・女性)
「これを機会に自宅でも勤務可能な人は在宅勤務することを定着させられれば、通勤電車や道路の交通量緩和、交通費削減に繋がると思うから」(49・男性)
「感染リスクが減らせるのはもちろんだけど、無駄な会議も減ったり、業務効率化に繋がる面も多い。結果として働き方改革になると思う」(37・女性)
作家で人事コンサルタントの城繁幸さんも「何十年も実現できなかったことが、この1ヶ月で変わるかもしれない」と期待する。