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大阪の高級外資系ホテルに5000円で泊まれる?

 宿泊需要が急増していた頃には事前に予約をせずに大阪出張すると当日は宿がなく、24時間営業のカフェで夜明かししたなどというのは今は昔。最近囁かれているのが、市内にある高級外資系ホテル。当日夜遅くにインターネットサイトでチェックすれば5000円でも予約できるという噂が、ビジネスマンの間でも話題になっている。

 大阪は民泊特区といって、比較的民泊を自由に運営できることから市内には数多くの民泊が存在する。またホステルなどの簡易宿所も多く、ビジネスホテルの需要を喰ってきたと言われるが、これらの低料金の宿泊施設も大打撃である。

 特にこうした業態の業者は資金力に乏しい。大阪市内のビジネスホテル業界にとっては目の上のたんこぶだったホステルやゲストハウスなどは今後、意外な形で淘汰されていくかもしれない。

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オリンピックまでにホテルが開業できない!?

 東京都心部でもこれまでは宿泊単価で1泊1万円を割ることが少なかった大手チェーンのビジネスホテルが、軒並み6000円から7000円台に落ち込んでいる。だが、東京の場合は別の側面での影響が深刻になってきた。7月に開催される予定のオリンピック・パラリンピックにあわせて現在、都内では数多くの新規ホテルが建設を急いでいる。今多くの現場で焦りの声があがっているのだ。

 現在新築中のホテルで、オリンピック・パラリンピックに間に合わせようと思えば、5月頃までには建物を竣工させ、6月中旬頃までにはFF&E(Furniture, Fixtures & Equipment)と総称される家具備品類の納入を行い、数日にわたる試泊を繰り返していざ本番を迎えることになる。

 実はホテル関係の建材、とりわけ内装材やシャンデリアなどの照明器具、トイレの洗浄便座などの衛生機器、ベッドや机などの家具は多くが中国に発注を行い、中国国内で製造がおこなわれている。

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 通常夏場までにホテルを開業する際に、ホテル関係者が心配するのが春節だ。期間中、中国国内の工場の稼働がほとんどストップするので、納品期限を厳格に管理するのが常識なのだが、今回は納期遵守以前に新型コロナウイルス騒動で従業員が工場に出勤できずに製造が行われていない、という異常事態になっている。