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画一的な元徴用工への補償は正しいのか

 昨年、11月末に文喜相・韓国国会議長が「記憶・和解・未来財団」の設立を提唱し、現在、元徴用工問題は別のアプローチからの解決案が模索されている。

「この文議長案は日韓企業と個人による自発的寄付金をベースとして財団を設立するというもの。日韓議連幹事長の河村建夫氏も賛同の意を表明するなど日本側も好反応を示した。しかし、元徴用工だけに高額な慰謝料金額を支払うという方針を巡っては、異論の声も出ている」(ソウル特派員)

握手を交わす文喜相・韓国国会議長と安倍晋三首相 ©ロイター/AFLO

 既に韓国大法院では日本企業に対して、元徴用工へ1人あたり1億ウォン(約1千万円)の慰謝料を支払うことを命じる判決が出ている。文議長案では元徴用工を対象に1~2億ウォン(約1~2千万円)を支払う予定ともいわれている。

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 文議長案は画一的に補償金を支払うという考えに基づいているようだ。記憶・和解・未来財団が支払うべき金額として想定しているのは3000億ウォン(約300億円)にも上ると報道されている。だが、例えば元徴用工は15~20万人(韓国政府が認定した元徴用工は約22万人)もの数がいるといわれており、補償を始めたら数兆円規模の金額が必要だという分析まである。

 はたして経済負担ばかりが増大する解決策が正しいといえるだろうか。

問題解決の前に検証を

 呂氏の上申書でもわかるように、じつは元徴用工には様々な背景がある。つまり画一的な補償を行うには前提条件がバラバラ過ぎるのだ。まず問題解決策を練る前に、改めて徴用工とは何か、その真実を検証する作業が求められるべきだ。

 拙著「韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち」では、本稿で紹介した呂氏の上申書の更なる核心部分、そして実際に私がインタビューした他の元徴用工の証言を数多く紹介している。

 さらに「元徴用工問題」だけではなく、「慰安婦問題」や「ベトナム戦争問題」、韓国政府が関与した「米軍慰安婦問題」など、韓国が抱える様々な問題を本書では取り上げている。貴重な証言の数々は、巷で語られている歴史観がいかにいい加減なものであるかを実感させるものばかりであるはずだ。

 韓国人が語る、「歴史問題の真相」や「祖国の罪の数々」とは何か。ぜひその内容を一読していただきたい。