感染が疑われる状況から無事に脱したとして、いつから職場や学校に戻るべきなのか。その基準についても訊ねた。
「症状がなくなったらすぐに職場復帰する」と答えた医師は4人。「症状消失から1~2日様子を見て仕事に戻る」が4人。「1週間程度は自宅で療養」が2人。その他、以下のような回答があった。
「14日間は自宅療養。院内感染の元凶になるわけにはいかない」(G医師=40代女性、整形外科)
「復帰の基準がないので困る。“コロナ陰性”の証明が欲しい」(B医師=50代男性、消化器内科)
医師も職場復帰のタイミングには迷いがあることが垣間見える。
単身なら「自宅に籠もる」
今回回答を寄せてくれた医師の大半が家庭を持っているが、あえて「もしあなたが単身者だったら?」という質問をしてみたところ、18の有効回答のうち17人が「自宅から出ない」と答えた。
「震災の経験から、つねに水などの準備はしているので、それで凌ぐ。『怪しい』と感じたら、完全に身動きが取れなくなる前に完全防備で近所のコンビニへ行き、可能な限りの備えをしておく」(O医師=50代男性、眼科)
「食料や生活用品はネットで購入し、置き配にする」(B医師=50代男性、消化器内科)
「外出しなくても生活できるよう必要なものを知り合いに持って来てもらい、ドアの外に置いて帰ってもらう」(T医師=50代男性、小児科)
その上でいよいよ進退窮まった時は――。
「保健所に相談し、救急車要請のタイミングなどを確認しておく。その上でSNSなどを通じて友人や知り合いに状況だけは発信しておく」(S医師=40代男性、緩和ケア科)
「呼吸苦などの重症化症状が出たときは、救急車を要請」(C医師=50代男性、泌尿器科)
さすがは医療者だけあって、救急要請のハードルがきわめて高い。
医師である彼らが最も恐れるのは、「自分が感染源となってウイルスを拡散すること」なのだ。
医師たちも一つ一つ迷いながら対応している新型コロナウイルスだが、必要以上に恐れるのではなく、淡々と、あるいは粛々と、その状況に応じた対応していく冷静さが必要なのだろう。
◇
「週刊文春 新型コロナウイルス完全防御ガイド」が、3月17日に発売となります。予約受付中です。