そのほかには次のような回答があった。
「発熱がある場合は出勤しないように指示が出ているので自宅療養。4日以上症状が続いて、呼吸苦などが出た場合は自院の感染対策室の指示を仰ぐ」(C医師=50代男性、泌尿器科)
「自宅内で家族と分かれて簡単な隔離。開業医なので自分でインフルエンザの迅速検査だけはしておく。4日経過して新型コロナウイルス感染の疑いが濃厚なら保健所に相談」(D医師=50代男性、漢方内科)
「家族に感染の兆候があるならフローチャートに従うが、医師である自分に兆候がある場合、自分の患者への感染だけは絶対に防ぐ必要があるので、病院長に相談してその指示に従う」(I医師=50代男性、整形外科)
受診するならどこに行くのか?
ここでいう「フローチャート」とは、厚労省が示した「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」を指す。
かぜの症状や37.5度以上の発熱、強いだるさや息苦しさがある人は4日以上、ただし高齢者や糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患がある人などは同じ症状でも2日以上の症状継続で「帰国者・接触者相談センター」に連絡し、同センターが勧める医療機関を受診する――という流れが定められている。
大部分の現場の医師たちは、この厚生労働省が示している受診の基準には納得し、従う意思があることが窺える。
もちろん、積極的な自宅療養派がいる一方、「仕方なく……」という意見もある。
「それが正しいかどうかは別として、厚労省の指示に従うしかない。いきなり医療機関を受診するのは混乱や二次感染の元になるので」(E医師=40代女性、泌尿器科)
「医療機関を直接受診しても同じ指示をされると思うので」(F医師=60代男性、心療内科)
では、受診するとしたらどこに行くのか。勤務医は、やはり自身が勤務する病院を受診する、という回答が目立つ一方、開業医の場合はそうはいかない。
「自分が開業医なので、自分で保健所に連絡して検査を要請する」(J医師=40代女性、循環器内科)
「相談窓口に連絡し、行くべき病院の指示を仰ぐ」(K医師=60代男性、感染症・膠原病内科)
むやみに病院に行くのではなく、行政の指示に従うという意見が多かった。